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ピレリのF1タイヤが生み出す状況を嘆く声

2013年04月16日(火)10:50 am

何名かのF1関係者が、F1中国GP終了時に落胆したことを認めている。

マクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュは『Telegraph(テレグラフ)』に次のように語った。

「スタートからゴールまで、休むことなくタイヤを労わり続けなければならないのは、ものすごくつらいよ」

「痛みを感じるほどだ。私にとってもつらいが、そんなふうに運転しなければならないドライバーはもっとつらいはずだ」

ウィットマーシュが言及しているのは、急激に摩耗するピレリの2013年用タイヤによってもたらされた状況についてだ。中には、ポールシッターが誰にもその座を譲ることなくそのままチェッカーフラッグを受けることがしばしばだった10年前とは対照的な、新しい時代の到来を歓迎する声もある。

だが、F1がレースそのものの面白さを失いつつあると指摘する者も少なくない。

14日(日)に、『SID通信』からそれぞれのチームの強みについてどう思うかと問われたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は次のように答えている。

「勢力の均衡化? 現時点ではそれはちょっとした冗談だよ」

「やっているのがタイヤをいたわることだけだとしたら、レースでやれることなんてあまりないよ」

「もし、タイヤのせいだけで1周ごとに5秒もタイムを失うとしたら、ドライバーの技術や、クルマがどれほど優れていても、できることはあまりないからね」

事実、上海ではレースの間ずっと、ライバルたちとホイール・トゥ・ホイールの戦いを挑むべきか、あるいはタイヤの寿命を延ばすことを目的とした戦略にこだわるべきかを悩むドライバーやエンジニアたちの声が無線を通じて聞こえていた。

「以前は、攻めることができた」とベッテルは続けた。

「でも今は、戦うべきときがきても、どうすればいいのかちょっと見当がつかないんだ。今日は2度自分の順位を守ろうとはしなかった。なぜなら、タイヤをだめにして、自分で自分を窮地に追い込んでしまうはめになったかもしれないからね」

1997年のF1チャンピオンであり、現在はテレビ解説者を務めるジャック・ビルヌーブもフランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プラス)』で同様の意見を述べていた。

「いくつかのコーナーでの動きを見たんだけど、みんながタイヤをいたわっていた」

「あれは本当のレースじゃないね」

タイヤサプライヤーのピレリが、第5戦スペインGP(5月12日決勝)からスタートするヨーロッパラウンド以降については、(タイヤの)方向性を変えようとしていると伝えられている。そのため、メルセデスAMGの非常勤取締役であるニキ・ラウダとF1最高責任者のバーニー・エクレストンは、こうした状況は今週末のF1バーレーンGP(4月21日決勝)で終わりを迎えるだろうとしている。

また、現在のような状況は観客にとってわかりづらいのではないか、と問われた中国GPウィナーであるフェルナンド・アロンソも、「それはわれわれドライバーも同じだよ!」と答えている。

さらに、ラウダは『APA通信』に次のように語った。

「タイヤがそれほどまでに持たなくて、レース開始早々にピットに戻らなくてはいけないようなタイヤが必要なのか、本当に検討しなければならないだろう」

「非常に理解しがたいよ。とりわけ、観客にとってはね」

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