F1で4回チャンピオンに輝いたアラン・プロストが、今シーズン序盤のバーレーンGP開催について、あとで振り返ってみればF1にとって「いい決断だった」と述べた。
第4戦のバーレーンGPをめぐっては、反政府デモが続いていることから、中止を求める声が多かったが、運営側は開催を強行した。
シューマッハに次ぐ歴代2位の勝利数を誇るプロストは、バーレーンGPが始まる前の段階では、何が正しいかを見極めるのは難しかったと述べた。
6月30日(土)にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードへ参加したプロストは、人種隔離政策アパルトヘイトを取っていた南アフリカでF1を開催することに対して、激しい反対がある中でレースへ参加した1985年を振り返りながら、『Telegraph(テレグラフ)』紙に対してこう語っている。
「1985年に南アフリカへ行ったときのことを覚えている。行った者は、1人の人間としてもドライバーとしても非難された」
「問題は、行かないという選択は良くないのか、それとも、行って通常通りに事が運ぶよう手助けすることを選択したほうが良いのかということだ」
「私の意見はその中間だ。すべての情報を持っているわけではなかったからね」
プロストは、どちらの意見にも賛成できるとしながらも、最終的にはバーレーンGPに行かない決断をしたと語った。
「正直言って、行きたくなかったんだ」
「あれだけの論争があるようなときは、論争の外にいた方がいい」
「だが、行くべきではなかったとか、行くべきだったとかといったことは言いたくない」
「結局のところ、すべてうまくいったのだから、“まあ、いい決断だった”と言っていいと思うよ」と言ってプロストは笑顔を見せた。