今週末に開催されるバーレーンGP(22日決勝)に先駆けて現地入りした2人のF1記者が、戦場レポートに挑戦した。
「経験あるジャーナリストとして、こうした状況を自分の目で確かめる義務があった」と述べるのは『PA Sport(PAスポーツ)』のイアン・パークス。16日(月)、バーレーンの首都マナマから約10kmの郊外で行われた抗議集会の様子を詳細に伝える記事を書いた。
「われわれはつまるところ、ジャーナリストなんだ。これがわれわれの仕事だ」とパークスは述べ、『Daily Mirror(デイリー・ミラー)』紙のバイロン・ヤングも、F1とは無関係の抗議集会の取材に同行したという。
パークスがバーレーンでの動乱を詳しく伝える一方、同行したヤングもツイッターで「火炎瓶のにおいと催涙ガスを味わった。バーレーンでF1はいったい何をやってるんだと思ったよ」と明かした。
しかし首都マナマに戻ると、そこにあったのは「通常の生活。つい先ほど何が起きていたか、知っている者は誰もいないと言っていいほどだ」とパークスは伝えている。
バーレーンGPが開催されるバーレーン・インターナショナル・サーキットのザイード・アルザヤニ会長は、今週バーレーンにやってくるほかのジャーナリストは「通常の生活」のほうを多く目にするだろうと述べた。
「百聞は一見にしかずだと思う」
「ちょうどクリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)と話したところだ。彼のチームはすでに到着している。すべて通常通りだ」
「昨夜彼らは夕飯に出掛けたが、何も問題はなかった」とアルザヤニはバーレーンの『BNA通信』に語った。
またアルザヤニは、F1の運営会社FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)のスタッフもバーレーンに数日前から滞在しているが、「バーニー(エクレストン/F1最高権威)はすべて順調だと言っていた」とも述べている。
『Times(タイムズ)』紙の記者ケビン・イーソンもすでにバーレーン入りしており、サヒール地区にあるサーキットまでの幹線道路には、20台以上の警察車両がいたと伝えている。
イーソンは、「抗議を目的にする者がF1サーカスに近寄れたらラッキーだ」と書き、今週サヒール地区では「防弾衣と高速砲で完全武装した」軍も目撃されていると伝えた。
「バーレーンGPで無謀な挑戦をする者はいないだろう」とイーソンは述べている。
これに同意するのは「何も見ていない」と言うチームスタッフのジョン・エアーズ。ネイサン・ジャップとともにレッドブルのガレージ設営を行っている。
「サーキット周辺の警備は明らかに厳重だ。VIPが宿泊する一流ホテルでも、対策を採っているのが見て取れる。すごく警戒している」
「それ以外は、まったく平穏だ」とエアーズは説明し、「どんな騒ぎも見てないし聞いてない。ただ、夜に郊外の村でいろいろ起きているのは知っている」と現地の様子を伝えた。