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F1第12戦ベルギーGPレースレポート

2012年09月02日(日)23:50 pm

2012年F1第12戦ベルギーGPが9月2日(日)、スパ・フランコルシャン(1周/7.004km)で3日目を迎え、現地時間14時(日本時間21時)から行われた決勝で、ジェンソン・バトン(マクラーレン)がポール・トゥ・ウィンを飾った。

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レーススタート時の天候は晴れ、気温20℃、路面温度は34℃、湿度は40%という、山岳地方に位置するスパにしては絶好のコンディション。上位はいずれもソフト側のミディアムタイヤでフォーメーションラップに出ていった。

スターティンググリッドから距離の短い第一コーナーは最初の鬼門。

スタート直前、1列目に位置する小林可夢偉のザウバーから白煙が立ち上る。ブレーキにオーバーヒートの兆候だ。シグナルが消え、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)がすごすぎるけり出し。予選3番手タイムを記録したマルドナードは、Q1で他車を邪魔したとして3グリッド降格処分を受け、6番手からのスタートだったが、早速競技委員からフライングを取られ、レース後に審議対象となる。

その直後だった。第一コーナー、ラ・ソースでクラッシュ発生。直ちにセーフティカー導入。ロメ・グロジャン(ロータス)とルイス・ハミルトン(マクラーレン)の接触をきっかけに多重クラッシュが発生した。グロジャンをはじめ、ハミルトン、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)といった選手権上位のドライバーが一気に姿を消したほか、4番手スタートのセルジオ・ペレス(ザウバー)も事故に巻き込まれ、その場でリタイアとなった。

トップはバトン、次いでキミ・ライコネン(ロータス)、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)、ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)、ダニエル・リチャルド(トロ・ロッソ)、ジャン・エリック・ベルニュ(トロ・ロッソ)の順。スタートで大きく遅れ、アクシデントにも巻き込まれた可夢偉は19番手で2周目にピットイン。フロントノーズを替えると同時にハードタイヤへスイッチ、最後尾で隊列に戻った。

5周目にレース再開。ところがライコネンのマシンに伸びがない。ヒュルケンベルグにかわされ3番手に後退。その後ろでは、マルドナードがフロントウイングを痛めてケメル・ストレート終わりでリタイアした。

7周目にDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)が使用可能に。ストレートの本格バトルがいよいよ始まる。この時点で可夢偉は14番手から追い上げを図る。

3番手のライコネンが無線でギアトラブルを報告。これを4番手のシューマッハが1秒後方から虎視眈々(たんたん)と狙う。同時に可夢偉が2回目のピットイン。ハードタイヤに履き替えてピットアウト。マシンは大丈夫なのか。トップのバトンはヒュルケンベルグに5.2秒のクッションを築き、早くも独走態勢だ。

44周の決勝、10周を終えてトップはバトン、6.3秒差で2番手ヒュルケンベルグ、3番手はギアトラブルを抱えるライコネン。以下シューマッハ、リチャルド、ベルニュ、セナ、ベッテル、ウェバー、マッサ。いずれもスタート直後のアクシデントを無傷でくぐり抜けたマシンだ。可夢偉は15番手あたりを走行。

11周目のレコーム手前でシューマッハがライコネンを抜いて3番手浮上。12周目、ライコネン、ウェバーがルーティンのピットイン。それぞれミディアムからハードにスイッチ。13周目にリチャルドとマッサがピットへ。14周目の最終コーナーでベッテルがセナを抜き4番手にアップ。

16周目、ピットロードを進入してきたナレイン・カーティケヤン(HRT)とタイヤ交換を終えて出ようとしたヘイキ・コバライネン(ケーターハム)が接触。コバライネンは危険なピットアウトを取られ、レース後の審議対象に。

20周目に3番手のシューマッハがベッテルの鼻先をかすめるようにピットイン。こちらもまたレース後の審議対象だ。シューマッハはタイヤをミディアムからハードへ。また、この周回を終えてトップのバトンがピットイン。同じくミディアムからハードへスイッチ、首位を悠々キープして戦列に復帰だ。

23周目にベッテルがピットイン。まんまとシューマッハの前でピットアウトした。この時点でトップ10はバトン、ライコネン、ヒュルケンベルグ、ウェバー、マッサ、ベッテル、リチャルド、シューマッハ、ベルニュ、ディ・レスタ。可夢偉は9.6秒前を行く11番手セナを追っての走行。

25周目、可夢偉がピットイン。ここまで、ほぼすべてのマシンが1回のピットストップで済ませる中、可夢偉の3回はいかにも多い。ハンドリングに違和感があるのか。

レース後半に入って路面温度は36℃と、やや上昇。全体的に風速も弱まっていて、終盤に向けコンディションは厳しくなりそうだ。

28周目、ヒュルケンベルグとウェバー、少し遅れてマッサが2回目のピットイン。ここで、出るウェバーと入るマッサが微妙に交錯。ウェバーはレース後に審議対象となってしまう。その1周後にライコネンがピットへ。これでシューマッハに抜き返されてしまうが、自己ベストをたたきだしながら前を追う。

31周目から32周目にかけ、カーティケヤンが単独スピン、リタイア。同じ周回で3番手のシューマッハと4番手ライコネンの表彰台を賭けたバトルが激しさを増す。そのすぐ後方では、ヒュルケンベルグとウェバーが二人をピッタリとマークしている。

34周目のオー・ルージュ手前でライコネンがシューマッハをかわして3番手へ。シューマッハはヒュルケンベルグとウェバーにも付け狙われる。1ストップ作戦に失敗したシューマッハは、急きょピットイン。上位フィニッシュの望みは絶たれた。

この時点でトップは独走のバトン。次いで14秒以上遅れるも、2番手まで上がってきたベッテル。以下ライコネン、ヒュルケンベルグ、ウェバー、マッサ、シューマッハ、セナ、ロズベルグ、ベルニュ。

シューマッハと同じく1ストップ作戦のロズベルグだったが、ベルヌとリチャルドのトロ・ロッソ勢に相次いでパスされ、入賞圏外へ脱落。これでロズベルグはピットインを余儀なくされた。

ベルニュとリチャルドの二人は次に、タイヤのグリップ不足に悩むセナに襲いかかる。他方で、マッサが最終コーナーでウェバーを抜き5番手へ。

レース終盤、トップのバトンは1分54~55秒台を確実に刻みながら、1ストップを保ったまま着々と順位固めへ。3回のピットストップを喫した可夢偉は本来の勢いもなく、13番手に沈んだままだ。

結果的にバトンはスタートからいちどもリードを譲ることなく、44周を終えて歓喜のチェッカー。開幕戦オーストラリアGP以来となる今季2勝目をマークした。

2位から10位までの結果は次のとおり。

2位にベッテル、3位ライコネン、4位ヒュルケンベルグ、5位マッサ、6位ウェバー、7位シューマッハ、8位ベルニュ、9位リチャルド、10位ディ・レスタ。

小林可夢偉は、13位に終わった。

F1第12戦ベルギーGP終了後ランキング
【結果】F1第12戦ベルギーGP結果、優勝ドライバーのタイム、タイム差、周回数、ピット回数など
F1第12戦ベルギーGP決勝の結果

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