2012年限りでケーターハムのレースシートを失ったヘイキ・コバライネンが、F1の公式タイヤサプライヤーであるピレリのテストドライバー候補に挙がっている。
定期的にステアリングを握る機会が得られるため、シート争いに敗れたF1ドライバーがピレリのテストドライバーに就任することは多い。過去にもロメ・グロジャン(ロータス)やペドロ・デ・ラ・ロサ(フェラーリ/テストドライバー)らが、F1のレースシート失った後にピレリのテストドライバーを経て、レースドライバーに復帰している。
コバライネンは実力に定評がありながらも、チームにスポンサーを持ち込んでシートを得る「ペイドライバー」になることを拒否し、資金難にあえぐケーターハムは2013年シーズンのコバライネン起用を見送っていた。
ピレリのF1担当ポール・ヘンベリーは、コバライネンの起用はF1へのタイヤ供給契約更新交渉の行方次第だとフィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』に明かしている。
「まだ結論は出ていない。すべての問題が解決されてから、テストドライバーの選定に着手する」
2012年シーズンのピレリテストドライバーで、F1レースシートを見つけられていないハイメ・アルグエルスアリとルーカス・ディ・グラッシ2名も候補者だと認めながら、ルノー、マクラーレン、ケーターハムでレースドライバー経験を積んできたコバライネンをヘンベリーは高く評価している。
「ヘイキはすばらしい候補者だ。非常に経験豊富なドライバーだからね」
「候補者の中でも、かなり有力なドライバーだ」
一方、フィンランドの伝説的ラリードライバーのユハ・カンクネンは、持ち込み資金のあるペイドライバーが小規模チームのレースシートを得る場面が多くなったF1ではなく、ラリーに活躍の場を求めるべきだとコバライネンにアドバイスした。
「ヘイキにとって、(ラリーは)非常に有意義な転向になると思う。DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)やル・マンも悪くないね」
「ヘイキがクーサモ(フィンランド中央東部の都市)の凍った湖でラリーカーを走らせたのを見たことがあるが、素晴らしかった。才能があると感じたよ」