レッドブルのセルジオ・ペレスが、アルピーヌがチーム代表のオットマー・サフナウアーと決別することを決めたのは「残念だ」と語った。
2009年10月にフォース・インディアにCOO(最高執行責任者)として加入したルーマニア系アメリカ人であるサフナウアーは、その後レーシングポイント、アストンマーティンと名前を変えたチームを2021年シーズンまでCEO兼チーム代表として率いていた。
しかし、2022年シーズンにルノーのワークスF1チームであるアルピーヌに移籍したサフナウアーだったが、今年の夏休み前最後のレースである第13戦ベルギーGPが開催されたスパ・フランコルシャンにおいて、このレースを最後にスポーティングディレクターのアラン・パーメインとともにチームを離れることが突然発表された。
今年6月にはイギリスのエンストンにあるファクトリーが投資家グループに売却されたのを始め、7月にはチームCEOであったローラン・ロッシが更迭されるなど、チーム体制が大きく変わりつつあったアルピーヌだが、サフナウアーの離脱もチーム側による決断だったものと考えられている。
■サフナウアーのアルピーヌ離脱に驚いたペレス
現在のアストンマーティンがフォース・インディアと呼ばれていた2014年にマクラーレンからこのチームに移籍したペレスは、その後2020年まで7年にわたってサフナウアーとともに仕事をしてきた経験を持っている。
ペレスは、サフナウアーが突然アルピーヌを去ると知ったときには「かなり驚いた」と認めている。
「急なことだったから、かなり驚いたと思う」
そう語ったペレスは、次のように続けた。
「僕はオットマーは素晴らしい人物だと思うし、あのようなポジションにいる人にはもっと時間を与えるべきだよ。そして、オットマーには彼のポテンシャルを発揮するための時間が足りなかったと思う」
「僕は彼がほかのチームでやってきたことを見てきた。予算が非常に限られているチームでも、そうでないチームでもね。だから、(アルピーヌが)彼を去らせてしまったのは残念なことだと思っているよ」
「でも、誰が来るにしても、適切な時間が必要だと思うんだ。F1ではすべてのことに膨大な時間がかかるものだからね」
■困難な時期は誰にでも訪れるもの
一方、7月末にベルギーGPが開催されたスパ・フランコルシャンでは、ペレスの復調も話題となっていた。
第10戦オーストリアGP決勝では3位表彰台に上ったものの、ペレスは第7戦モナコGPから第11戦イギリスGPまで5戦連続で予選Q3に進出できないという不振に陥っていた。だが、第12戦ハンガリーGPでやっと予選9番手に食い込んでその流れに終止符を打つと、ベルギーでは予選3番手、決勝2位と本来の調子を取り戻してきている。
最近のパフォーマンスに満足しているかと尋ねられたペレスは、次のように答えている。
「そうだね、マシンと自分のドライビングスタイルに関して困難な状況にあったのは確かだよ。僕はそれに取り組んできていた」
「それはほかのドライバーと何の違いもないよ。ドライバーというのは、自分たちのスイートスポットを見つけようとする時期を経験するものだと僕は思っている。それは誰にでも起こることなんだ」
「そして、僕がいつも言っているように、人々が覚えているのはアブダビ(最終戦)での順位だけなんだ。だから、僕にとってはまだ長いシーズンが残されているよ」
ペレスはそう語ると、次のように付け加えた。
「自分のシーズンを再び軌道に乗せたいと思っているけれど、自分が前にもそれをやったことがあるのはわかっている。だから、正しい方向に向かっていると思うよ」