レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、先週末にモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで行われたF1カナダGPを前に、そこでレッドブルの連勝が途切れる可能性もあると示唆していた。
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しかし、このレースも終わってみればマックス・フェルスタッペンが4戦連続となる今季6勝目をあげ、レッドブルとしても負けなしの8連勝を達成している。
■フェルスタッペンにくらいついているのは2人のF1チャンピオンたち
「ともあれ、あの子たちは恥ずかしくてたまらないだろうね」
ライバルチームのドライバーたちに言及しながらスイスの『Blick(ブリック)』にそう語ったマルコは次のように付け加えた。
「フェルスタッペンの神経をくすぐることができるのは彼らの中で2人だけで、80歳以上だよ」
マルコが言及した2人とは、カナダGPで2位フィニッシュしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と、3位フィニッシュしたルイス・ハミルトン(メルセデス)のことだ。
現在41歳10か月のアロンソと、38歳5か月のハミルトンの年齢を合計すれば80歳を超えることになる。若手ドライバーも成長している現在のF1だが、今季ここまでのところは2度F1王座についたアロンソと、7度チャンピオンに輝いたハミルトンというベテラン勢が活躍しているのも事実であり、カナダでも現F1チャンピオンであるフェルスタッペンとともにこの2人が表彰台に上っている。
■カナダではフェラーリ勢のスタート順が幸い
実際のところ、マルコがカナダで最も手強いライバルとなると予想していたのはフェラーリだったが、予選で出遅れてしまったフェラーリ勢はシャルル・ルクレールが4位、カルロス・サインツが5位までばん回するのがやっとだった。
マルコは、フェラーリ勢が予選で失敗し、ルクレールが10番グリッドから、予選8番手だったものの3グリッド降格ペナルティーを受けたサインツが11番グリッドからのスタートとなったことが、フェルスタッペンにとっては幸運だったと考えている。
「彼らはどちらのタイプのタイヤでも最速だったんだ」
■カナダではフェラーリ勢のスタート順が幸い
そう語った正真正銘80歳のマルコは、アストンマーティンとメルセデスが改善してきているのも確かだが、ジル・ビルヌーブ・サーキットはレッドブルには少し相性が悪かっただけだと次のように続けている。
「確かに彼らは我々に近づいている」
「その一方で、ここには本当のコーナーは4つしかなく、我々はハードタイヤを完璧な機能範囲に入れることができなかったんだ」
「なんとか100勝目を達成できてほっとしたよ」
■マテシッツに通算100勝達成を見せたかった
レッドブルの通算100勝達成に言及してそう語ったマルコは、昨年10月に逝去したレッドブル創業者のディートリッヒ・マテシッツの名前をあげながら次のように付け加えている。
「ディディ(マテシッツ)がここでそれを見られなかったのが残念だよ」。