ルイス・ハミルトンは、メルセデスは2023年型F1マシンを改良することよりも、そろそろ2024年型マシンの開発の方に注力していくべきだと考えている。
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先週末にモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで行われたF1カナダGPでは、3年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得を目指すマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季6勝目をポール・トゥ・ウィンで達成した。
■レッドブルとの差を縮めてきたライバルチームたち
だが、このレースで2位となったフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はフェルスタッペンから約9.5秒遅れでフィニッシュしており、これは残り1周でレースが再開された第3戦オーストラリアGPを除けば、これまでのレースでレッドブルとの差が最も小さいものだった。
そして、アストンマーティンだけでなく、メルセデスやフェラーリもタイム差という観点から見れば、レッドブルとの差を縮めてきているのは間違いないようだ。
フェルスタッペンは、カナダGP決勝を終えたあと、今日は「タイヤの温度などの関係でベストな日ではなかった」と説明したが、ライバルチームたちのマシンが改善されてきているのも確かだと次のように付け加えている。
「だけど、アップデートによって彼らが改善してきたことももちろんわかっている」
「つまり、彼らが僕たちに近づいてきたのは間違いないよ」
■事実上レッドブルを逆転するのは困難
しかし、ここまでの8戦を終えた時点でランキングトップのフェルスタッペンは、ランキング2番手に位置するチームメートのセルジオ・ペレスに69ポイント差、ランキング3番手のアロンソに78ポイント差、ランキング4番手のハミルトンには93ポイントもの大差をつけている。
今後アストンマーティンやメルセデスがレッドブルとの差をさらに縮めることに成功したとしても、この差を逆転することはかなり難しいと考えざるを得ないだろう。
■2024年型マシン開発に焦点を合わせるべきだとハミルトン
こうした中、7度F1王座についた実績を持つハミルトンは、そろそろ2024年型マシン開発の方に注力すべきときがきているのではないかと次のように語っている。
「マックスのチームはすでに来年のマシンに取り組んでいるだろうと僕は思っている」
「だから、僕たちも少しだけボールから目を離して、来年のことにも集中する必要があるよ」
実際のところ、ハミルトンは2023年型F1マシンのコックピット位置が自分の好みではないことからこれを修正するようチームに求めたものの、バジェットキャップ(予算制限)があることから、今年のマシンに関しては修正ができない状況となっている。
それゆえ、ハミルトンとしては2024年にはそうした問題も含めて、大きく改善されたマシンを投入することができるのを期待しているということもあるようだ。
「特性的に、レッドブルに勝てるようになるマシンではないことは確かなんだ」
2023年型マシンについてそう語った38歳のハミルトンは、次のように付け加えた。
「だから、僕たちはそれ(2024年型マシン)に取り組まなければならないんだ」。