シーズン残り3戦でF1王者争いがフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の2人に絞られるなか、F1関係者の間ではベッテルが有利だとする意見が多い。
ブルーノ・セナ(ウィリアムズ)は、タイトル争いが最終戦の母国ブラジルGP(25日決勝)までもつれ込むことを望むとしながらも、その可能性は低いと述べた。
「そうなることを願っているよ。(ブラジルで)面白いことになるからね」というセナの言葉をブラジルの『Totalrace(トータルレース)』が伝えた。「でも、それは難しいよ」
「レッドブルはすごく大きなアドバンテージを持っている」
セナは、レッドブルとフェラーリの差が、次戦アブダビGP(11月4日)ではさらに広がる可能性があるとしている。
「インド(第17戦)では、(レッドブルの)アドバンテージが少し小さかった。それは、リアによって制限される部分が少ないコースだからだ」
「でも、アブダビのようなコースへ行ったら、(レッドブルは)すごくいいパフォーマンスを見せるよ」
F1チームの元技術責任者で、現在はBBCで解説を務めるゲイリー・アンダーソンも、レッドブルとベッテルがタイトル争いの大本命だと考えている。ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』が次のようなコメントを紹介している。
「レッドブルの開発ペースを追い越すために、フェラーリがどこからともなく何かを出してこられるとは想像できない」
「特に、レッドブルはアブダビでもまたマシンに新しいパーツをつけてくるのだから」
3回F1チャンピオンに輝いたニキ・ラウダも、アロンソがタイトルを獲得することは今や「ほぼ不可能」だと認めている。
しかし、アロンソは何も変わっていないと主張している。
「僕のキャリアはほとんどこういう感じだった。それでも、人はほめてくれる。僕が最高のドライバーの1人として認められているってね」
アロンソは『Totalrace(トータルレース)』に対して、ベッテルがタイトル争いで逆転できたのは、レッドブルのデザイナーであるエイドリアン・ニューイのおかげだと語った。
「セバスチャンとマーク(ウェバー/レッドブル)がシンガポール以降ドライビングを向上させたとは思わない。それでも、急にいつも1番と2番を取るようになった」
「つまり、それだけ優れたマシンを手にしている今、ミスが許される余裕さえあるということだ。それだけのマージンがある」
「でも僕たち(フェラーリ)は一生懸命努力して、残りの3レースではそんな余裕を与えないよ」とアロンソは語っている。
マクラーレンのルイス・ハミルトンは、アロンソがチームメートだった頃は宿敵だったが、今は2012年のチャンピオンを「気持ちの上では」アロンソにやりたいと願っているようだ。
スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』によると、ハミルトンは「僕の考えでは、もう3倍か4倍ワールドチャンピオンにふさわしいよ」とアロンソを讃えている。