ウィリアムズの株主でもあり、常勤役員への昇格が先日発表されたトト・ヴォルフは、同チームのマシンを自らのハンドルでテストすることを否定した。
トトは、ウィリアムズの開発ドライバーを務めるスージー・ヴォルフの夫であり、テスト兼リザーブドライバーであるバルテリ・ボッタスのマネジャーでもある。
自身も90年代からドライバーとしてレースに参戦した経験があり、2002年のNGTクラス(現GT2)で6位の成績を収めたのをはじめ、GT1クラスのレースでも優勝経験がある。最近では出身国オーストリアのラリー界で活躍し、2006年のドバイ24時間レースで見事優勝を果たした。
トトは2009年にニュルブルクリンクの北コースでサーキットレコードを記録した後、そのまま時速270キロのポルシェでクラッシュ。その直後、何事もなかったように無傷でクルマから降りる様子をおさめた臨場感あふれる車載映像がYouTubeにアップされるやいなや、モータースポーツファンの間で伝説となっている。
しかし、トトは自らがウィリアムズの2012年型車であるFW34のテストを行う予定が無いことを強調する。
「みなさんもご存じの通り、私は才能があるというより、野心にあふれたドライバーだった。今の自分にはF1のクルマを運転したいという野心がない。不自然に見えるだけだと思うから」
その代わり、ウィリアムズの会長であったアダム・パーの突然の辞任にともない、7月からチーム代表のフランク・ウィリアムズの手助けを行う常勤役員に就いたトトは、この新しい役職に打ち込んでいる。
「これからはより多くの時間をファクトリーで過ごすことになるし、今はそれを楽しんでいる。今、ちょうどこれが一番やりたいことだよ」とトトは述べた。