全22戦で争われる2023年F1シーズンもここまでに15戦が消化されたが、現時点において今季のフルタイムドライバーの中で1ポイントも獲得できていない唯一のドライバーがウィリアムズのルーキーであるローガン・サージェントだ。
今季のウィリアムズは明らかに昨年よりも戦闘力が向上しており、チームメートのアレクサンダー・アルボンはすでにここまでに21ポイントも獲得している。
ルーキーとは言え、いまだにポイントが獲得できず、ミスが多い22歳のアメリカ人ドライバーに関しては、今季限りでシートを喪失する可能性もあると考えてられていた。
■ウィリアムズは財政的理由でサージェント起用を継続?
だが、先週末に行われた第16戦シンガポールGPでもまたミスを犯したにもかかわらず、ウィリアムズはサージェントを残留させる可能性が高いと考えられている。
ドイツ出身元F1ドライバーであるティモ・グロックは、そのサージェントとウィリアムズに関して次のように語っている。
「彼があのようなミスを犯し続けるのは注目に値するよ」
「しかし、今のところそうであるように見えるが、ウィリアムズが彼を支援している限り、彼がコックピットを失うことはないだろう」
「彼はおそらく一定の財政的支援者(スポンサー)を連れてきているだろうし、ウィリアムズはその点にも注意を払わなければならないからね」
■スポンサー不足が痛いドルゴビッチ
だが、その一方で、F1昇格を目指す優秀な若手ドライバーたちにとってはかなり厳しい状況となっているのも事実だ。
例えば、現在アストンマーティンのリザーブドライバーを務めているブラジル人ドライバーのフェリペ・ドルゴビッチは、2024年に向けてウィリアムズのシート獲得を目指していると伝えられている。
だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、大きなスポンサーを持たない23歳のドルゴビッチに今のところF1への道が開ける可能性は低いだろうと次のように報じている。
「昨年のF2チャンピオン(ドルゴビッチ)がウィリアムズに加わりたいと思うのであれば、あと数百万ドルのスポンサーを集めなければならないだろう」
■ローソンの将来はレッドブル次第
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はさらに、今週末に今季のF1第17戦日本GP(24日決勝)が開催される鈴鹿において、日本人F1ドライバーの角田裕毅が来季もアルファタウリで走ることが正式に発表されることになるとも報じている。
同誌によれば、現在負傷欠場しているダニエル・リカルドが来季アルファタウリで角田と共にフルシーズンを戦うことになるだろうという。
そうなった場合、リカルドの代役として期待以上のパフォーマンスを示し、先週末のシンガポールGPでは9位入賞を果たして2ポイントを獲得した21歳のニュージーランド人ドライバーであるリアム・ローソンには2024年のフルタイムシートが回ってこないことになる。
かつてトヨタやヴァージンで活躍した現在41歳のグロックは母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に対し、ローソンについて次のように語っている。
「彼が見せたパフォーマンスは明らかに驚きだった。今度どうなるか成り行きを見守るしかないし、それはレッドブルの手に委ねられているよ」