あれだけ騒いだ割には、シルバーストンでロンドンGPの開催の話が上がってもF1関係者らは気にもとめなかった。実際のところ、ロンドンGPの憶測と騒ぎは宣伝目的だったのだろうと専門家はみている。イギリスの首都をF1のために閉鎖する可能性は現実的には全くゼロとなった。
元F1ドライバーのデビッド・クルザードは、「(ロンドンGPを開催するには)速度制限の法律を変えたりとか、そういったことが必要だから、議会が動いたりしない限り無理なのだと聞いた。市長がちょっとOKしたくらいではできないらしい」と『Telegraph(テレグラフ)』に寄稿している。
現在、贈収賄事件の最中にいるF1の最高権威バーニー・エクレストンは、オリンピックスタジアムを利用するアイデアについて『Daily Mail(デイリー・メール)』にコメントしている。
「(オリンピックスタジアムを利用するのは)ちょっと複雑すぎるような気がするね。それからまた他の案が出てきた。あれはサンタンデール銀行の宣伝行為だな」
「サンタンデール銀行から2、3カ月前に案を見せられたんだ、その時は“面白そうだし、イギリスGPとサンタンデール銀行のいい宣伝になる”という話だったから、私も“その通りじゃないか”と言ったんだよ。そうしたら知らない間に私の仕業ということになっていた」
「実のところは全く知らなかったんだがね。手柄だけはもらっておくよ」とエクレストンは語る。
エクレストンはまだこの案を実現させるために3500万ポンド(約43億円)の準備があると認めているが、現実となる可能性は低いという。
「何年か前にスポーツ大臣とその時の市長、名前はなんだったか、あぁ、ケン・リビンストンさんだ。彼らと話し合った内容をもう一度掘り起こしてみるつもりなんだ。それを軌道に乗せてみるよ」と付け加えた。