マクラーレンは、メルセデスAMGが復活させたFダクトのコピーに取り組んでいるが、まだ完成はしていないようだ。
Fダクトとは、車体に設置した穴から空気を取り込み、リアウイングのすき間から放出することで最高速を向上させるシステムのこと。Fダクトは2011年から禁止となったが、メルセデスAMGはドライバーが操作する必要のないシステムを開発することでルールの抜け穴を利用している。
タイヤをうまく使いこなせず、決勝では結果を残せていないメルセデスAMG。しかし、DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)と連動させ、「スーパーDRS」と呼ばれる新Fダクトシステムによって、予選においては素晴らしい成果を上げている。前戦マレーシアGPにおいては、ミハエル・シューマッハが予選3番手の結果を残した。
複数のチームが、このFダクトはルール違反だと考えており、実際にロータスが中国GPで抗議を行ったが、統括団体FIA(国際自動車連盟)は、あらためてルールに違反していないとの判断を下した。その一方、マクラーレンはFダクト搭載を目指しているとされ、抗議には加わっていない。
マクラーレンの技術責任者パディ・ロウは10日(火)、こう語っていた。
「われわれにとっても、Fダクトは大きな課題だ。今まさに取り組んでいる最中だよ」
そしてロウは、メルセデスAMGがルールの精神に違反したと言われていることについて、「ルールの精神などというものは存在しない」とコメント。その一方で、もしDRSルールの精神があるとすれば、メルセデスAMGは「間違いなく」違反していると語った。
「このシステムを使用し続けられるのかという議論は、ルールの精神に関するものではない。ルールの文言が、それを認めているか否かという問題だ」とロウは加えている。