F1第18戦カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)で前代未聞のルールが急遽決まった。
昨日の19周のショートレース『スプリント』終了後、FIA(国際自動車連盟)とピレリは安全上の理由からチームと協議をした結果、日曜日のカタールGPで「タイヤは最大18周に制限」すると発表。一方で「3ストップ義務化」は見送ると発表した。
●【2023F1第18戦カタールGP】全セッションの結果・開催スケジュール
■スプリント後にタイヤを分析
スプリント開始前は、19周のスプリントのあとにタイヤ分析を実施し、グランプリに向けてさらなる対策が必要かどうかが判断するとしていたが、昨日のスプリントではセーフティカーが頻繁に導入されたため、ピレリによるタイヤデータの解析は不十分だったと発表。
スプリントで分析されたタイヤの中には、タイヤのトッピングコンパウンドとカーカスコードの間のサイドウォールに剥離の初期症状が見られるものもあった。
フリー走行1回目と同様、このサーキットで多用されている50mmの「ピラミッド型」縁石とタイヤのサイドウォールが高周波で干渉し、縁石に乗り上げることでこの問題がさらに悪化したようだ。
■カタールGPでの措置
その結果、FIA(国際自動車連盟)とピレリは安全上の理由からチームと協議をし、日曜日のカタールGPで以下の措置を実施することを決定した。
・1セットあたりのタイヤ寿命は18周までの制限を課す。
すでに使用しているタイヤの寿命も考慮される。
FIAとピレリは、各チームがレースで使用できるユーズドタイヤの残り周回数と、その算出基準をチームに通知する。
・レース中に最低3回のタイヤ交換ピットストップを行うことは義務付けないが、レースが全行程を走行する場合には、上記のガイドラインに従うことになる。
・タイヤ寿命周回数の制限を超えたと判断された車両は、安全でない状態で走行したとしてスチュワードに報告される。
・この情報はレースディレクターズノートで正式にチームに伝えられ、必要に応じてさらなるアップデートが発行される。