F1統括団体のFIA(国際自動車連盟)は、F1カタールGPの土曜日に行われるスプリント・シュートアウトに先立ち、追加の練習セッションと新たな安全対策を発表した。
■安全問題:“ピラミッド型”縁石でタイヤにダメージ
ピレリは毎レース週末の金曜日、プラクティス後に約20周使用したタイヤの分析を行い、さまざまな安全パラメータをチェックしている。
カタールでは、その分析の結果、「チェックした多くのタイヤで、トッピングコンパウンドとカーカスコードの間のサイドウォールに剥離」が明らかになった。
FIAとピレリは、「これらのタイヤでかなりの周回数を重ねると、タイヤの周方向にダメージが生じ、エアロスが発生する可能性がある。周回数が低いタイヤを分析したところ、問題の範囲が大幅に軽減されていることが示された」と考えている。
FIAはさらに、「この問題は、このサーキットで多用されている50mmの“ピラミッド型”縁石とタイヤサイドウォールとの間の高周波干渉が原因であり、縁石に乗り上げる傾向によって悪化した可能性が高い」と付け加えた。
■対策:トラックリミット変更、タイヤ使用方法の制限
これを念頭に、FIAはこの問題に対する安全上の措置を発表した。
1)ターン12と13のトラックリミットが変更
2)16時00分〜10分:練習習熟走行。
ドライバーがトラックリミットの変更に適応できるよう、現地時間16時(スプリント・シュートアウトが開始される予定)から「10分間の練習習熟走行」を行う。
16時20分〜:スプリント・シュートアウト。
スプリント・シュートアウトは予定より20分遅れて開始される。
3)ピレリは19周で争われるスプリント後にタイヤを分析し、日曜日のメインイベント、カタールGPに向けてさらなる対策が必要かどうかを判断する。
4)FIAは、もし問題が依然として明らかであれば、次の指示をする予定がある。
4−1)レースで使用される「新品タイヤは20周を超えてはならない」。
予選でのインラップとアウトラップを考慮し、決勝レースでユーズドタイヤを使用する場合は「22周に増加」する。
4−2)全ドライバーは57周のレース中に少なくとも「3回のタイヤ交換」ピットストップを行うことが義務づけられた。