ウィリアムズのトップエンジニアが、アメリカ人ルーキードライバーのローガン・サージェントを2024年も引き続き起用する可能性があることを示唆した。
■唯一来季の去就が確定していないサージェント
現時点では全10チームのうち9チームの2024年のドライバー体制が確定している。残るのは、現在サージェントが座っているウィリアムズのシートひとつだけだ。
ウィリアムズでは昨年からチームに加わった元レッドブル所属ドライバーのアレクサンダー・アルボンが好調を示しており、現時点までに21ポイントを稼いでドライバーズランキング13番手に位置している。
だが、今季ウィリアムズでデビューを飾ったサージェントは、今季のフルタイムドライバーの中で唯一まだ1ポイントも獲得することができていない。
そればかりか、22歳のサージェントにはミスも多く、先週末に今季のF1第17戦日本GPが開催された鈴鹿サーキットでは予選でクラッシュを演じるとともに、決勝でもほかのドライバーとクラッシュし、最終的にはリタイアに終わっている。
■残り6戦でのパフォーマンスがカギに
こうした中、今季からウィリアムズをチーム代表として率いているジェームズ・ヴォウルスは、鈴鹿でスイスの『Blick(ブリック)』紙に次のように語っていた。
「ローガンにはシーズン終了まで、自分自身を証明するチャンスを与えるつもりだ」
実際のところ、サージェントも「これからシーズン終了まで」の全てのレースで「コンスタントな改善」を見せるようウィリアムズから指示されていることを認めている。
最近の噂では、ウィリアムズは今季限りでサージェントを諦め、2024年には2022年のF2チャンピオンであり、現在はアストンマーティンのリザーブドライバーを務めているブラジル出身のフェリペ・ドルゴビッチを起用する可能性が高いとも言われている。
■鈴鹿でのクラッシュがサージェントのいい面を隠してしまった
だが、ウィリアムズの車両パフォーマンス責任者を務めるデイブ・ロブソンは、日本GP予選での大きなクラッシュに注目が集まったとは言え、サージェントが成長してきているのは間違いないと主張している。
「それが見出しを飾るのは当然だよね?」
鈴鹿でのサージェントのクラッシュに言及しながらフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にそう語ったロブソンは、次のように続けている。
「それ(クラッシュ)が彼の一貫したパフォーマンスを少しばかり隠してしまったと思う」
「あの(日本での)週末は本当にうまくいっていたんだ」
「鈴鹿は本当にタフなサーキットだが、彼は金曜日にとてもいい走りを見せ、土曜日に向けて堅実なベースを築いいていたよ。そして、(予選)1周目の最終コーナーでコントロールを失ったのは、本当に小さなミスだったんだ」
「あのコーナーで芝生に乗ればああなるしかないんだ。あれは本当に残念だったよ」
そう語ったロブソンは、次のように付け加えた。
「だが、ザントフォールト(第14戦オランダGP)以来だったあのクラッシュが、ほかの堅実な進歩を覆い隠してしまったと言っていいと思う」。