レッドブルは、パワーユニットの開発に苦慮するエンジンメーカーのルノーに、何とかしなければ契約を切るといった最後通告を突きつけた。
冬季テストの深刻な不振から立ち直ったかに見える世界チャンピオンのレッドブルだが、チームのアドバイザー、ヘルムート・マルコは、ルノーが引き続きエイドリアン・ニューイ設計のマシンに搭載されるには依然として課題山積だと話す。
状況が改善した背景にはレッドブルとトロロッソ合同の危機対策チーム結成があったとマルコは明かしている。わざわざ2チームが手を組んで、フランスにあるルノーの本拠地ヴィリ・シャティオンに乗り込んだのだ。
その上でマルコはドイツ『Bild(ビルト)』紙に、我慢も限界に達していると次のように語る。
「今後2、3か月で目に見える改善がないと、我々は代案について話し合うことになる」
マルコはレッドブル社主のディートリッヒ・マテシッツと非常に密接な関係にある。
マルコによると、それまでレッドブルはマシンの変更を繰り返して80馬力といわれるパワー不足を補うという。さらに、レースでトップ勢がトラブルに見舞われるのを願うしかないとのことだ。
「我々がエンジンの馬力を増やせるわけがない。他力本願だが、(ニコ)ロズベルグと(ルイス)ハミルトンのトラブルを祈るよ。それしか彼らをパスする手はない」
メルセデスAMGのチームメート同士が足を引っ張り合うのを待っているということか。ふたりは現在まで1勝ずつマークしている。
メルセデスAMG会長のトト・ヴォルフは、そうした潜在的トラブルがあるのは承知していると、次のように話す。
「我々はかなりの時間を割き、そうした問題について話し合っている。いくつかのシナリオや、それに応じて置かれる状況とかね」。ヴォルフは、ドライバー関係がこじれたらどうするかとの質問に答えたものだ。
「まずはメルセデスやチームが優先される。まあいずれ騒ぎは収まるだろうけどね」と、ヴォルフはイギリス『Mirror(ミラー)』紙に語っている。
「他チームとの違いは、ふたりのドライバーは長年の知り合いで互いにフェアな関係を築いていることだ」
「だからといって彼らに激しい競争心がない訳じゃない。彼らが、使える武器は何でも使うのはもちろんさ」