今季はここまで圧倒的な強さを見せているメルセデスAMG。特に、エンジントラブルでリタイアに終わった開幕戦を除けば、第2戦から第5戦まで4連勝を飾ったルイス・ハミルトンは、現在敵なしの状態だ。
そのハミルトンは、もっとライバルたちに追いついてきて欲しいと余裕とも取れる発言を、13日(火)にF1公式テストが行われたバルセロナで行っている。
だが、ハミルトンがこういうコメントをした背景には、2014年シーズンをもっと魅力あるものにしたいという思いがあるのかもしれない。往々にして1人のドライバー、あるいは1つのチームが圧倒的な強さを示すシーズンは、見ている者にとってはあまり面白いものではないからだ。
事実、今年はコース上でハミルトンとロズベルグがバトルを展開しようとしているようなときでも、テレビカメラはコース上でもっと激しいホイール・トゥ・ホイールの戦いが行われているところを映そうとすることが多く、メルセデスAMG勢の姿があまり画面に登場してこないケースも多い。
「面白いことに、我々もそれを目にしたよ」
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフも、『Daily Mail(デイリー・メール)』にそう認めている。
だからと言って、そのためにメルセデスAMG勢がわざとアクセルを緩め、ライバルたちがもっと近づいてくるようにしたり、あるいは、ハミルトンとロズベルグがお互いにぶつかりあったりするようなことまでして、自分たちがもっとテレビ画面に登場するようにしたいなどと考えるはずもない。
「そういうことは受け入れないとならないと思っているよ。メディアへの露出が多少減ることより、私は1-2フィニッシュするほうがいいね」、とヴォルフは語った。