メルセデスAMGでタッグを組んで1年目のシーズンが間もなく終わろうとしている、ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトン。ロズベルグは今までを総括し、速さは2008年の世界チャンピオンと「ほぼ同等」と胸を張る。
2010年から去年までチームメートだった7度の世界王者ミハエル・シューマッハとは、ロズベルグの圧勝というのがF1関係者の多くが思っていることだ。
しかし中には、もしアラフォーを過ぎたシューマッハが相変わらずベネトン(現ロータス)やフェラーリ時代の速さと腕を兼ね備えていたらと考える者もいる。
だから、なおさらハミルトンと組む2013年がロズベルグにとって真の試練ととらえられたのだ。
今季も残すところ2戦。ロズベルグはF1第6戦モナコGPと第8戦イギリスGPの計2回、勝っている。ハミルトンの優勝は第10戦ハンガリーGPの1回のみだ。
ところがドライバーズ選手権を見ると、ハミルトンがポイント数でロズベルグを上回っている。
今週ロズベルグは、ドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。「今まで彼の前を走ることもしばしばあった。ところが、なぜか僕のほうが技術的なトラブルを起こす回数が多いんだ」
「ルイスのシーズンは順調に推移したといっていい。だから僕はポイントで負けているんだよ」
「純粋にスピードを比べたら、僕らはほぼ同等だ」
「これってすごいことだよ。僕はこういった競争を求めてF1にやってきたんだからね。どうやったらチームメートに勝てるか、僕はそればかりを考えている」
「ただいっておくけど、ルイスの速さは信じられないよ」と、ロズベルグはハミルトンを持ち上げる。
昨年までチームメートだったシューマッハをマネジメントしているザビーネ・ケームは、ロズベルグとハミルトンのおかげで今もシューマッハのすごさが浮き彫りになっていると、次のように話す。
「あのルイス・ハミルトンと互角に渡り合うニコ・ロズベルグの速さに、多くの人々がマイケル(シューマッハ)を再評価しているわ」
「マイケルはニコを相手によくやっていたわ。そのニコもルイスと同じぐらい、いい走りをしているわね」と、ケームはドイツ『Bild(ビルト)』紙に語った。