多くの若者があこがれ、自分のクルマや、自転車、部屋にまではった「powered by HONDA」ステッカー。2015年、powered by HONDAがF1に、それもあの伝説を共に築いたマクラーレンのシャシーに誇らしく復活する。
第2期の1983年から92年までの10年間で、優勝69回、年間チャンピオン5回という世界を席巻する圧倒的なパワーを見せつけたのが「powered by HONDA」だ。
1988年には「powered by HONDA」のターボエンジンを積んだマクラーレン・ホンダが、アイルトン・セナ、アラン・プロストという伝説のパッケージで16戦15勝という圧倒的な強さを誇ったが、「ホンダのターボエンジンは速すぎる、強すぎる」という理由から、89年からF1ターボエンジンは禁止された。参戦を休止しようかという意見も出る中、Honda創業者の本田宗一郎氏はこう言ったそうだ。
「ターボ禁止はHondaだけか? 全チームが同じ条件で戦うのならばいいじゃないか。それでこそ、ヨーロッパの人たちに評価されるじゃないか」
結果的に参戦は継続され、新たな3.5リッター自然吸気エンジン時代に入っても、ドライバーズ、コンストラクターズ両方において「powered by HONDA」のダブルチャンピオンが91年まで5年連続で続いた。
あの時、世界が負けを認めた「powered by HONDA」。
伊東社長は会見の場で力強く断言した。「エンジン技術については負けていない!」