フェラーリの2013年型のクルマF138には根本的な欠点があるとの報道を、テクニカル・ディレクターのパット・フライがきっぱりと否定した。
2012年シーズンの終盤こそフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がドライバーチャンピオン争いをするほどまで盛り返したが、フェラーリのクルマF2012の初期型は、ほかのチームのクルマと比べて速さがなかった。そのため、シーズン開幕当初のフェラーリは非常に苦戦を強いられた。
序盤戦のつまずきがなければ、アロンソがF1チャンピオンになっていた可能性が高い。2013年はフェラーリにとってリベンジのシーズンだ。そして、先日スペインのヘレス・サーキットで行われたF1シーズン前テストで、フェリペ・マッサ(フェラーリ)が全日程を通しての最速タイムを記録した。フェラーリのレースドライバーとして8年目を迎えたマッサ自身も、2013年型F138への満足を口にしていたが、マッサの言動はクルマへの満足を表してはいなかったともいわれている。
ドイツの『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルト・モートアシュポルト)』は、フェラーリのクルマの排気系には「問題がある。しかし、解決できないような種類のものではない」とのフェラーリ関係者の発言を報じた。
一方で、スペインの『Marca(マルカ)』は、フェラーリのテクニカル・ディレクターを務めるフライの「多くの部分で、予想通りの結果が出た」という発言を伝えている。
フライは、ヘレスでの合同テストはF138を「理解する」ためのもので、クルマの真の速さは今週バルセロナで行われる2回目の合同テスト(2月19日~22日)で見られるだろうと話しており、大幅な改良パッケージは2月28日(木)から始まる「3回目のテストで」導入すると明かした。
19日(火)から始まる2回目のF1シーズン前テストでは、オフシーズンのトレーニングを終えたアロンソが3日間の作業を担当し、最終日となる22日(金)の作業をマッサが担当する。
フライはまた、2013年の順位を予想するにはまだ早いとも言っている。
「今のところ、特に目をひくものはない。ほかのクルマも、われわれと同じように昨年終盤の続きの作業をしているんだ」
「今後、互いを比べられるようなデータが出揃ってくるだろう」
また、1回目の合同テストでマッサが記録したタイムは重視するべきではなく、「タイヤのコンパウンドと燃料搭載量を変えれば、シーズン開幕前テストで速いタイムを出すのはとても簡単だよ」とフライは語っている。