レッドブルのドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコは、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が2013年にレッドブルへ移籍する可能性を否定した。
ハミルトンはマクラーレンとの長期契約が今季で終了するが、今後も幼少のころから在籍したマクラーレンに残留するとみられている。
しかし、マクラーレン・グループ会長のロン・デニスは先週カナダで、ハミルトンとの契約交渉がすべてうまくいっている訳ではないと示唆していた。
「彼は自分がどのチームに行けるか、見て回るだろう。そしてわれわれは獲得可能なドライバーを探すことになる」
F1のトップドライバーであるハミルトンが移籍を考えるとすれば、その行き先は現王者レッドブルのようなトップチーム以外に考えられないだろう。
しかし、少なくともレッドブルでは歓迎されないようだ。レッドブルのマルコがドイツ紙『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』へ次のように語っている。
「ハミルトンが移籍を考えているのは明らかだ。しかし、どれだけ速いドライバーでもチームの枠組みになじむことができなければ、全く意味がない」
マルコの発言は、レッドブルがすでに2年連続王者セバスチャン・ベッテルを擁しており、もう1人ハミルトンのような「ナンバー1型」のドライバーは必要ないということを暗に意味している。
この状況はフェラーリでも全く同様だ。実際にハミルトンとフェルナンド・アロンソ(現フェラーリ)が在籍した2007年のマクラーレンでは、待遇をめぐってアロンソとチーム首脳が対立し、複数年契約を解除してアロンソはマクラーレンを離れた。
ではメルセデスAMGはどうだろう?
「ルイスがメルセデスファミリーの一員であることは秘密ではない」とメルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグが述べている通り、ドアは開いているようだ。
しかし、5年間で1億5,000万ドル(約119億円)をハミルトンに支払う準備があるとされているマクラーレンとの間で、金銭的な問題があるのであれば、低予算で運営しているメルセデスAMGへの移籍は考えられないだろう。
ブラジル紙『O Estado de S. Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』に寄稿しているリビオ・オリッキオによると、ハミルトンがマクラーレンに残留するのは間違いないようだ。
また、マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュもイギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』へ次のように語っている。
「チーム内より、チームの外の方で憶測が飛び交っているね」
「チームは、ルイスと一緒に働くことを楽しんでいるよ。おそらくルイスも同じ気持ちだと思う。だから、このいい関係が続くことを期待している」