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F1、「カスタマーカー」導入案は消えたとの報道

2012年06月15日(金)17:42 pm

F1で、他者が製造した車体、いわゆるカスタマーカーでの参戦を認めるようルールを改正する案が消滅したと報じられている。

現在のF1ルールでは、F1に参戦するためには独自にマシンを開発・製造しなくてはならない。しかし、それではコストがかかりすぎ、F1に参入できるチームが限られてしまうことから、以前からF1でもカスタマーカーを認めるべきだとの声も上がっていた。

このほど、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が、F1でも将来的にカスタマーカー制度を導入しようという新しい計画が示されたものの、結局それもまた暗礁に乗り上げたと伝えている。

F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが最近になって、次期コンコルド協定(※)の締結にあたって小規模チームに対しては1年落ちのカスタマーカー購入を認める計画があると明らかにしていた。

だが、エクレストン自身もその計画にはジレンマがあることを認識。カスタマーカーを購入しようとするチームは一番強いクルマの購入を目指して特定のメーカーへ殺到することになるため、結果としてレースに出走するクルマのメーカーが減ってしまうことになるのではないかという懸念だ。だが、エクレストンは最近、次のように語っていた。

「私が考えている方法であれば、そういうことは起きないだろう。それについては、じきに教えるよ」

しかし、そのエクレストンの計画が日の目を見ることはないかもしれない。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』の記事によれば、フェラーリとレッドブルはその案を支持しており、さらにはマクラーレン、メルセデスAMG、ロータス、そしてウィリアムズもF1の公認製造者として認められることになっていたようだ。

だが、残り半分のチーム、すなわち、ザウバー、フォース・インディア、トロ・ロッソ、マルシャ、ケーターハム、そしてHRTの6チームは「既製品」のF1カーを購入しなくてはならないことになっていたという。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ザウバーとフォース・インディアがこれに強く抗議したと伝えている。

ドイツ人記者のトビアス・グルーナーは、「いったい誰が、彼ら(小規模チーム)のマシン製造を禁止しようとしているのか?」と書くとともに、「いくつかのチームでは、欧州裁判所へ持ち込むとの警告さえ発していた」ことを明らかにしている。

(※)F1チーム、統括団体のFIA(国際自動車連盟)、F1運営会社間で結ばれる協定。F1の商業権や運営方法、利益分配などが規定されており、内容は非公開となっている。

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