2016年のF1も残すところあと4レースとなったが、現時点ではポイントリーダーのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)がF1タイトル3連覇を目指すルイス・ハミルトンに対して33ポイントものリードを築いている。
リタイアなど、よほどのことがなければロズベルグが初のタイトルを獲得する可能性が非常に高くなっているのは事実だ。しかし、F1関係者の中には、ロズベルグがこういうチャンスを得ることができたのは、ハミルトンのほうにだけマシントラブルが多発したことが幸いしたものだと考えている者もいる。
■今年のロズベルグは昨年までとは別人
だが、メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、必ずしもそれだけでロズベルグが現在のリードを築けたわけではないと次のように語った。
「ニコは自分では何もせずにチャンピオンになるわけじゃないよ。彼は今年完ぺきなシーズンを送ってきたし、ものすごく成長したんだ」
「ニコは、今年は完ぺきに変わったよ。これまでの数年ではルイスのほうが少し有利だった。だが、厳格な仕事ぶりとレースでの速さにより、ロズベルグのほうが今年はよくなっている」
■今年はドライバー間の確執による悪影響もない
だが、今年はハミルトンのほうにだけエンジントラブルが何度か発生したという事実もある。ラウダも、残りのレースではそうしたトラブルを発生させてはならないと次のように続けた。
「最後の4レースでは2台のクルマがどちらも最終ラップまで走り続けられるようにする必要がある」
ラウダはさらに、現時点ではロズベルグとハミルトンとの間の確執が問題となるようなことはなく、逆にチームにとって前向きな作用を果たしていると次のように付け加えている。
「2人ともお互いにいいレースをしようと頑張っているし、それがチーム全体をいい方向に向けて動かしているんだ。特にクルマの開発に関してね」