ちょうど一年前、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)はバルセロナでF1初優勝の快挙を成し遂げた。
あれから一年後、今週末に再びスペインGPへ臨むマルドナードだが、ウィリアムズは現在、周回遅れの常連ケーターハムやマルシャと並んでコンストラクターズ選手権で無得点と、絶不調にあえいでいる。
マルドナードは次のように話す。「僕らは今、とてもつらい時期にいるね」
開幕から4戦は遠征続きだったが、ヨーロッパに戻って緒戦のスペインGPは例年、多くのチームが改良パーツを大幅に導入、マシンのパフォーマンス向上が見込まれる。
不振のマクラーレンやザウバーと並んで、ウィリアムズもスペインGPで成績のジャンプアップに望みを託すチームのひとつだ。
これを冷ややかな目を向ける人物がいる。フォース・インディアのチーム首脳、ボブ・ファーンリーだ。
「マクラーレンは、どんな状況からも必ずばん回するのが目に見えている。しかし、ほかのチームはどうだろうね。今のF1マシンは、ほとんど(開発の)余地がないんだよ」と、『PA Sport(PAスポーツ)』に語るファーンリー。
「ここ数年(技術規則が)代わり映えしないからね。結果も似たり寄ったりなんだよ」
ウィリアムズにとってパーツを替えれば速くなるほど簡単な事情ではないことは、マルドナードも承知している。
「僕らには時間が必要だと思う」と、マルドナード。
「僕らは大きな問題を抱えているが、一歩ずつ前進できればいいな」
昨年から止まらないちょう落傾向で、このところ、ふさぎがちな雰囲気が漂うウィリアムズのパドック。チームの苦悩についてマルドナードは、次のように話している。
「いつもハッピーな気分ではいられないね。でも、モータースポーツには付きものじゃないかな」
「調子がよくても悪くても、僕らはベストを尽くさなければならない。前向きにならなきゃ。何としても生き残るんだ」
ウィリアムズにとって今週末のスペインGPは、昨年の優勝と同時に、ピット火災から一年の区切りとなる。事故で負傷したメカニックのマーティン・“バーニー”・ベッツは、今も全快に至っていない。
ウィリアムズ副会長のクレア・ウィリアムズは、『The Sun(サン)』紙へ次のように話している。「バーニーはケガの回復にかなりの時間を要してしまったけれど、いま重要なのは、ちゃんと仕事に復帰してもらうことね。チームも彼をしっかり支えなくては」