フェラーリ社の会長、ルカ・ディ・モンテゼモーロは18日(火)、F1王者セバスチャン・ベッテル(レッドブル)こそがフェラーリ次期ナンバー1ドライバーにふさわしいと発言した。
ドイツ誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、モンテゼモーロが「もし明日、ガールフレンドとハワイに引っ越すとかそういった理由でフェルナンド(アロンソ)がチームを去ってしまったら、次に欲しいのはベッテルだな」と言って笑ったと伝えている。
そうはいってもフェラーリはアロンソとの複数年契約があり、アロンソがいることにとても満足しているようだ。
「私は彼がいてくれてとてもうれしいよ。彼はその辺りの普通のドライバーじゃないからね」とモンテゼモーロも語る。
そして、過去のフェラーリの名ドライバーたち、ニキ・ラウダとミハエル・シューマッハーを引き合いにだし、「どちらにも少しずつ似ている」とモンテゼモーロはアロンソを評した。長らくフェラーリ入りのうわさが絶えないベッテルについても同様に称賛している。
「ベッテルはまだ若い。でも、地に足がついていて、勝ちたいというとてつもない意志の強さがある」
「シューマッハ(ミハエル・シューマッハ)がベッテルをカート時代から知っていて、注目するように言われていたんだ。ミハエルは正しかったね」
モンテゼモーロは、フェラーリの獲得希望リストの上ではベッテルがルイス・ハミルトン(マクラーレン)よりも上だと認めている。
「ベッテルの方が若いし、ハミルトンにとってフェラーリは3つ目のチームになってしまう。3チーム目にいるってことはもうキャリア後半に差し掛かっているということだ」
モンテゼモーロは、ベッテルがフェラーリは汚い手を使っている、と今年のタイトル争いの最中に批判したことも全く気にしていないと言う。
「戦っている最中は、どうしたって感情的な発言をしてしまうものだ」
そうは言ったものの、スターを2人並べたチーム運営は「難しい」と感じているため、アロンソとベッテルを組み合わせることは考えていないようだ。
アロンソのチームメート、フェリペ・マッサのシートはこれで安泰となるわけだが、モンテゼモーロはセルジオ・ペレス(マクラーレン)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、ロメ・グロジャン(ロータス)といった次世代のフェラーリ入り候補たちに注目していることも示唆した。
「来年は2.5組の新しいペアが誕生するね。ペレスとマクラーレン、ハミルトンとメルセデスAMG、それからあと半分はうちの新生マッサだ」
「ヒュルケンベルグがフェラーリエンジンを積んでいるザウバーでどんな走りをするのか非常に興味がある。それから1周目で時々速すぎる若者もね」と笑った。
その「若者」とは今シーズン1周目のクラッシュを多数起こしたグロジャンを指しているのは明白だ。