2023年F1第9戦カナダGP(サーキット・ジル・ビルヌーブ)の初日、フリー走行2回目が行われた。先ほどのフリー走行1回目は開始早々に赤旗が出されて中断のまま終了してしまったため、FP2の開始は30分前倒しとなり、60分から90分間のセッションへと変更となった。
●【2023F1第9戦カナダGP】フリー走行2回目のタイム差、周回数
トップタイムはルイス・ハミルトン(メルセデス)、2番手はジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)だった。モナコGPでBスペックを投入して以来、復活の兆しが見えているメルセデスF1にとっては、フリー走行とはいえ嬉しい結果だ。
シリーズをリードするレッドブルは、マックス・フェルスタッペンが6番手、セルジオ・ペレスは8番手だった。
今シーズンここまで苦戦が続くフェラーリ勢は、サインツは3番手、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が5番手と好位置だった。
コンストラクターランキング3位のアストンマーティンは、アロンソが4番手、母国GPを迎えているストロールは9番手だった。
レッドブルと同じホンダRBPTのパワーユニットを搭載するアルファタウリは、角田裕毅が15番手、新人ニック・デ・フリースは16番手だった。
■本日2度目の赤旗、ハースから白煙
フリー走行2回目は雨予報も出ているが、ドライコンディションで始まった。FP1で走れなかったことと、レーダーによると雨雲が近づいてきているため、各チームはソフトタイヤとミディアムタイヤを使い分けながら精力的に周回数をこなしてデータを蓄積していく。
しかし開始28分、最終ターンを立ち上がったニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)のマシンVF-23から異音が発生、後部から白煙が上がった。どうやら搭載しているフェラーリPUに問題が発生したようだ。
ヒュルケンベルグはホームストレートを惰性で走行しながらターン1手前の左側にマシンを止めると、マシンを降りてピットレーンを歩いて戻っていった。本日2度目、本セッション1度目の赤旗中断となった。
ハースのマシンは消火器で真っ白になり、マーシャルがピットレーン出口まで転がして戻すと、待っていたハースのスタッフが台車に乗せてガレージへと押し戻した。
■本日3度目の赤旗、“また”アルピーヌに問題発生
残り時間48分過ぎ、今度はターン9の出口イン側でエステバン・オコン(アルピーヌ)が止まっている映像が映し出された。マシンから白煙などは見えないのでメカニカルトラブルのようだ。ここで本日3度目、本セッション2度目の赤旗が出された。
先ほどFP1ではチームメイトのピエール・ガスリー(アルピーヌ)が「ギアボックストラブル」で開始早々にマシンを止めていたため同じ問題が疑われたが、オコンの問題は「水圧低下の疑いがあったため、念のためマシンを停止させた」ということだ。
違う問題とはいえ、アルピーヌ勢にとっては難しい金曜日となっている。
■セッション終盤に大雨
セッション後半になると雨雲が徐々に近づき風が強くなってきた。残り12分を切ったところでレッドブル勢を先頭に各車インターミディエイトタイヤを装着してスロー走行をしながらタイヤの表面を“皮むき”する光景が見られた。まだコースの一部で雨粒が落ちている程度だ。
しかし残り5分頃になると、ヘアピンのターン10付近で大雨が降っている映像が映し出された。ドライタイヤで走行していたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)だったが、まだ降り始めということもあったのかスピンすることなく無事に豪雨エリアから抜け出して、ドライエリアのバックストレートを駆け抜けてピットに戻ってきた。
その後すぐにランド・ノリス(マクラーレン)がインターミディエイトで走行したが、コース前半はドライ路面、コース中盤から徐々に水しぶきを上げながら走行し、ヘアピンのターン10辺りは深い溝付きのウェットタイヤが必要なほどだった。
残り1分頃には、母国GPを迎えているランス・ストロールを先頭に、フェルナンド・アロンソ、フェラーリ勢、アルファロメオ勢もコースイン。コースのどこで水溜まりや川が出来ているかを確認するためにチェック走行をした。
バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)はコース状況を「あひる用だね」と無線で報告しているほどだった。
天気予報は土曜日も雨予報となっており、難しい予選となりそうだ。