フェラーリでは、4,000万ユーロ(約56億円)もの大金を投じてマラネロの本部に新たな技術施設の導入を進めていると報じられた。
2014年シーズンも不振に終わり、現在も組織の大改革が進められているイタリアの名門チームだが、現在そのファクトリーに、F1カーにエンジンを搭載した状態でのテストを可能とする施設の建設が行われているという。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、この新施設導入は、オーストリアのエンジン開発会社であるAVLと協力関係を結んだことによるものだという。AVL社は、フェラーリのライバルであるレッドブルとも緊密な協力関係を結んでいることも知られている。
現在は実際にサーキットでテストを行うことがルールで厳しく制限されているが、AVLの施設を用いれば、フェラーリはブレーキ・バイ・ワイヤーなどを含むシステムやF1カーを最高で時速360kmでのシミュレーションを行って開発することが可能となるだろうという。現在は風洞テストに関しても時間数が制限されているが、この設備によるテストはそれとは別枠で行うことができるという。
本来、風洞テストの時間制限は、F1チームのコスト抑制策の一環として設けられたものだったはずだが、大きな資金力を持つチームにはそうした制限を設けてもあまり意味がないということのようだ。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、その設備はフェラーリのマラネロ本部に設けられた専用ビルの中に設置されるとともに、ドライバーシミュレーターとも接続されることになると付け加えている。