毎年恒例の鈴鹿サーキットでのF1日本GPのライバル開催地候補が浮上したかもしれない。“大阪GP”だ。
三重県鈴鹿市にホンダが所有する鈴鹿サーキットは、F1の伝統的な開催地として世界的にも高い人気を誇っている。
しかし、大阪観光局の溝畑宏理事長は先週、大阪市の関係者や民間の関西経済連合会との会合の後、F1誘致は大阪市の選択肢になるかもしれないと語った。元観光庁長官の溝畑理事長は、2030年に大阪をアジアナンバーワンの国際観光文化都市にすることを掲げている。
「F1シリーズは民間ベースで運営できるビジネスモデルに変化している。誘致を進めていきたい」
溝畑理事長によれば、大阪の民間セクターはグランプリ開催を検討するために政府関係者を招いたという。溝畑理事長は、2025年に開催が予定されている大阪万博の跡地を活用することは、この地域にとって完璧な方法だと語った。
「F1はもはや単体のモーターレースではなく、総合的なエンターテインメントに変わってきている。一歩一歩クリアすれば、可能性は出てくる」
溝畑理事長のコメントは、大阪でのF1レースが公道で開催される可能性があると『産経新聞』などが報じていた。
大阪府の吉村洋文知事は「(F1に)民間で挑戦したいという話は歓迎する。課題はあると思うが、できる限り協力したい」と述べ、行政主体の誘致や財政支援は想定していないという。
日本では民間のホンダや鈴鹿サーキットがF1を誘致し、世界各地でF1が開催できていることを考えれば、関西の民間企業と行政が協力すれば、大阪での市街地グランプリの実現は近づくかもしれない。また、アメリカでF1が大人気スポーツになっていることも国際観光文化都市を掲げている大阪にとっては好都合だ。