2012年版Fダクト論争は、15日(日)に決勝が行われる中国GPでも続くようだ。
車体に設置したダクトから空気を取り入れ、リアウイングのすき間からその空気を放出することによって直線でリアウイングの抗力を減らして速度を稼ぐ「Fダクト」は、2010年にも論争となった。その結果、次シーズンより禁止となった経緯がある。
レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコは『Auto Bild(アウト・ビルト)』に、「(Fダクトの論争は)まだ終わりではない」と語った。
レッドブルとロータスを中心とした数チームは、メルセデスAMGが今季導入したFダクト式の空力パーツはルール違反であると主張。オーストラリアGPとマレーシアGPの開幕2連戦では、レース結果に対して抗議が提出される可能性もあるとされていた。
これまで、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)は、ドライバーが操作するDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)と同調して作動するこの新しいFダクトはルール違反ではないとしている。
しかし、ロータスの技術責任者ジェームス・アリソンが中国GPの車検前、Fダクトがルール違反だとする新たな根拠をFIAのF1技術部門責任者チャーリー・ホワイティングに提出すると言われている。
なお、フェラーリはレッドブルとロータスに同調していると伝えられている。しかし、メルセデスのエンジンを使用し、自らもFダクト導入を目指しているとされるマクラーレンは、この論争には全くかかわっていない。