フェラーリF1チームの現状に関しては、F1関係者の間でも意見が分かれているようだ。
2007年のキミ・ライコネン以来となるF1ドライバーズタイトル獲得を目指すイタリアの名門F1チームだが、今年もその希望はもはや消えてしまっている。
フェラーリで5シーズン目を迎えるシャルル・ルクレール、そして3シーズン目を迎えているカルロス・サインツも、今のフェラーリには失望しているとも伝えられている。この2人の現在の契約は2024年までとなっている。
■ルクレールはフェラーリ残留?サインツは?
こうした中、イタリアでは、フェラーリがモナコ出身ドライバーである25歳のルクレールに対して2025年から27年までの2年間の契約延長をオファーするとともに、さらなる長期契約のオプションも提示したようだと言われており、一部にはルクレールがすでにその契約書にサインしたようだとの噂もささやかれている。
だが、28歳のスペイン人ドライバーであるサインツに関しては、少々状況が異なるようだ。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語っている。
「私は、カルロス・サインツはチームへの信頼を失っているような気がするんだ」
「彼の父親がパドックで代替案を探しているという噂もあるよ」
サインツに関しては、ザウバーと手を組んで2026年からF1参戦を開始するアウディのドライバー候補リストに名前が載っているようだとの噂も少し前からささやかれている。
■フェラーリは威光を失ってしまったとクリスチャン・ダナー
ラルフ・シューマッハと同じくドイツ出身元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーは、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に対し、もはやフェラーリはF1を代表する名門チームとしての威光を失い、凡庸なチームにすぎなくなっていると指摘している。
「フェラーリは、F1チームの中のオリュンポス(ギリシャ神話において神々が住む山)としての地位に別れを告げたんだ」
1980年代後半にアロウズやザクスピードなどでF1を戦った経験を持つ65歳のダナーはそう語ると、次のように付け加えた。
「彼らには何のプランもないんだ。彼らは今、中団から抜け出せないでいるよ」
■改善の兆しは見られるとアストンマーティンの元戦略担当者
しかし、アストンマーティンの元戦略担当者であるバーナデット・コリンズ(通称バーニー・コリンズ)は、フレデリック・バスール率いる2023年のフェラーリには期待出来る兆候もあると考えている。
「新しい首脳陣になったことで、彼らは間違いなく改善されています」
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語ったアイルランド出身のコリンズは、次のように付け加えている。
「彼らは意思決定のプロセスを簡素化したことで、コミュニケーションも改善されたように見えます」