2023年からチーム代表としてウィリアムズを率いているジェームズ・ヴォウルスが、このチームがF1コンストラクターズ選手権で上位に返り咲くには何年もかかるだろうと認めた。
■最後尾が定位置となった近年のウィリアムズ
コンストラクターズタイトルを9回、ドライバーズタイトルを7回獲得した実績を持つイギリスの名門プライベートF1チームであるウィリアムズだが、最後にタイトルを獲得したのは1997年のジャック・ビルヌーブにまで遡らなくてはならない。
ウィリアムズがレースで勝利したのは2012年の第5戦スペインGPでパストール・マルドナードがポール・トゥ・ウィンを達成したのが最後だ。
また、コンストラクターズ選手権においても2015年に最強メルセデスエンジンのおかげで3位になったものの、その後はどんどん戦闘力を失い、近年では最下位争いを行っているのが実情だ。
■現実と理想には大きな違いがある
2022年シーズン後に解任されたヨースト・カピートの後任として今季からウィリアムズの新チーム代表に迎えられた43歳のヴォウルスは、このほどフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「過去15年間にわたって、このチームは財政的にもそれ以外の面でも非常に大きな苦難を経験したが、そこから生き延びてきた」
「しかし、それは単に生き延びただけだったんだ。経済的に余裕のあるほかのチームと比べればね。だから、我々の今の状況と、将来に向けて目指さなくてはならない状況には大きな違いがあるんだ」
「トップ3に入るのは信じられないほど難しいことだよ。それらのチームは想像できないほどのリソースを持っているが、それに加えて彼らには経験もあり、グリッドで最高の人材もいるんだ」
■重要なのは毎年確実に前進すること
昨年までメルセデスの戦略責任者を務めていたヴォウルスは、トップ4に返り咲くというのが今のウィリアムズが掲げる長期的な目標だと次のように続けている。
「この組織の現実的なステップは、何よりもまず、毎年確実に前進し、同じ場所に留まらないようにすることだと私は思っている。それが第一の夢であるべきなんだ」
「第二の夢は、将来に向けて合理的な期間、つまり数年を設定し、そこから6位、5位、4位と突破し始めることだよ」
■2023年開幕戦では幸先よく1ポイントを獲得
2023年も厳しい戦いが予想されているウィリアムズだが、先週末に行われた開幕戦バーレーンGP決勝では、予選15番手からスタートしたアレクサンダー・アルボンが開始直後の混乱をすり抜けて順位を上げ、最終的には10位入賞を果たして貴重な1ポイントをチームに持ち帰っている。
ウィリアムズ移籍後2年目のシーズンを迎えているアルボンと、今年デビューしたアメリカ人ルーキーのローガン・サージェントが今後どのようなパフォーマンスを見せるのかにも注目していきたいところだ。