フェラーリF1チームからまた主要メンバーが1人離脱したことが明らかとなった。
■開幕戦を不本意な結果で終えたフェラーリ
フェラーリは、2022年シーズン後に更迭した前チーム代表マッティア・ビノットの後任として、昨年までザウバー(アルファロメオ)を率いていたフレデリック・バスールを新チーム代表に迎えている。
そのバスールは、2023年F1シーズン開幕前に、これまでチーフストラテジストを務めていたイニャキ・ルエダを更迭し、ラヴィン・ジェィンをその後任に据えるなどの組織変更にも着手している。
だが、そうした臨んだ先週末の開幕戦バーレーンGPでは、予選でレッドブル勢に先行されると決勝でもそのペースについていくことができなかった。さらに、シャルル・ルクレールはエンジントラブルでリタイア、カルロス・サインツはアストンマーティンのフェルナンド・アロンソにもオーバーテイクされて表彰台を逃すという不本意な結果に終わってしまっている。
■車両コンセプト責任者が離脱
こうした中、これまで車両コンセプト責任者を務めていたフランス人エンジニアのデビッド・サンチェスが、今年の開幕戦を終えた時点でフェラーリを離脱したことが明らかとなった。
だが、報じられているところによれば、サンチェスは更迭されたのではなく、自らの意思でフェラーリと決別することを決めたようだ。
ルノーやマクラーレンを経て2012年にフェラーリに加わったサンチェスはビノットと非常によい関係にあったとされており、今回の離職はビノット解雇が影響した可能性もあると考えられているようだ。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』などによれば、サンチェスは今後、ほかのF1チームに合流するために「ガーデニング休暇」に入ることになると考えられている。
さらに、『Sky Italia(スカイ・イタリア)』は、サンチェスはイギリスのウォーキングに本拠を置く古巣マクラーレンに復帰することになるようだと報じている。
■“我々はフェラーリだ”と言うだけではダメだとドメニカリ
こうした報道を受け、2014年シーズン序盤にフェラーリのチーム代表から更迭された経験を持つ現F1最高責任者のステファノ・ドメニカリは、母国イタリアの『Sport Mediaset(スポート・メディアセット)』を通じ、フェラーリは一致団結して現在の困難な状況を克服する必要があると次のように主張している。
「“我々はフェラーリだ”と言うだけではもう十分ではないんだ」
「彼らには今、典型的なイタリア人のように感情的になることなく、成長していくために弱点に取り組む必要がある。困難な状況から抜け出すには、決意をもって臨むことだけだ」。