レッドブルF1のクリスチャン・ホーナー代表は、リアリティとドラマの境界線が曖昧であるとして“ピュアリスト(純粋主義者)”から批判を受けることの多い『Drive to Survive(栄光のグランプリ)』シリーズについて尋ねられると、このように答えた。
「NetflixはF1に新しいファン層、若いファン層、アメリカ人、女性ファン層の視聴者を送り込んだ」。
ホーナーは『Bloomberg(ブルームバーグ)』の取材に対し、「カーダシアン家の人々(アメリカで最も有名なセレブな家族)みたいなものだ」と語っている。
しかし、そのような批判がある一方で、レッドブルのような商業的な観点からは良いニュースであるとも言える。
「過去3年間に新たに加わった25の新しいパートナーのうち、21がアメリカに拠点を置いている」とホーナーは明かした。
「そのうちの3社はフォーチュン500(※)に名を連ねているんだ」
※フォーチュン誌が毎年発表する全米上位500社ランキング。
「F1はまさに今、燃え盛っているんだよ」
■Netflixが大きな役割を果たしている
そしてホーナー代表は、Netflixがその中で大きな役割を果たしていると語った。
「我々は巨大な成長を遂げた。『Drive to Survive』による現象は、まったく新しい観客、若い観客、そして非常に多くのアメリカの観客にF1を紹介したんだ」
「『Drive to Survive』が成し遂げたことは、このスポーツを説明し、新しいファン層、若いファン層、女性ファン層を取り込むという素晴らしい仕事をしたことだ。舞台裏で繰り広げられる競争や個性を見せたんだよ」。
■タバコ広告問題が再燃
しかし、『Drive to Survive』の成功は、Netflixの若くて感受性の強い視聴者に、タバコのブランドを紹介することになったという批判を招いた。
一方、FIA(国際自動車連盟)は『AFP通信』に対し、「タバコ広告に断固反対する」と述べ、「我々はチームとスポンサーとの間の私的な商業協定や、放送協定に干渉する立場にはない」とも述べている。