元F1ドライバーであり、現在は今年復活開催されるF1オランダGPの主催責任者を務めるヤン・ラマースは、2020年にはメルセデスの伸びが頭打ちとなる一方で、レッドブル・ホンダが大きく台頭してくるだろうと考えている。
今年はドイツGPがF1カレンダーから抜け落ちたものの、オランダGPの復活に加えてベトナムGPが初開催されることで過去最多となる年間22戦が行われることになっている。
一見拡大基調にあるように見えるF1だが、将来に目を向ければまだ不透明な部分も少なくない。
そのひとつは、現時点ではまだどのチームも2021年以降のF1参戦契約を結んでいないことだ。
実際のところ、フェラーリはシャルル・ルクレールとの契約を2024年まで、レッドブルはマックス・フェルスタッペンとの契約を2023年まで、そしてレーシングポイントはセルジオ・ペレスとの契約を2022年まで延長している。
さらに、マクラーレンは2021年から複数年にわたってメルセデスとの間にエンジン供給契約を結んでおり、すくなくともこれらのチームは事実上2021年以降もF1を続けることを表明したに等しい状況となっている。
しかし、ラマースは、昨年6年連続のF1タイトル独占を達成したメルセデスがワークスチーム活動を停止し、エンジンメーカーとしてのみF1に留まることになる可能性も否定はできないと考えている。
実際のところ、最近ではルイス・ハミルトンやチームCEOのトト・ヴォルフが2020年限りでメルセデスを離脱するのではないかとのうわさもささやかれている。
■メルセデスがF1撤退を決めても不思議ではない
「彼らが長期的にどうするつもりなのかに関してはいくらか不透明な部分もあるよ」
母国オランダの『F1Maximaal(F1マクシマール)』にそう語ったラマースは次のように付け加えた。
「私は、彼らが『素晴らしかったが、ほかのことをするべき時が来た』と言うことなどありえないとは思っていないよ」
ラマースがそう考える理由のひとつは、2014年以降最強を誇り続けてきたメルセデスにも敗れる時が近づいていると考えられるためだ。ラマースは次のように続けた。
「(メルセデスが)さらに支配を続けられるチャンスは統計的に見ても小さいと思う」
「彼らはまだ優れているが、もうすでに彼らはピークに到達したとも言えるんじゃないかな」
■フェルスタッペンはホンダとレッドブルに自信を持っている
実際のところ、2020年シーズンに向けては、メルセデスではなくレッドブル・ホンダがタイトル獲得最有力候補だと考えている者も少なくない。
「ホンダはパフォーマンスを高める必要があったが、彼らはそれをやってのけている」
「フェルスタッペンは技術的にも競技的にも自信を持てたから契約したんだ」
メルセデス移籍のうわさもあったフェルスタッペンがレッドブルとの契約を延長したことに言及したラマースは次のように付け加えた。
「これ(契約延長)は、マックスと彼の(マネジメント)チームがホンダとレッドブルを信頼していることを示すものだよ」