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2020年には空気圧をさらに高めるとF1公式タイヤサプライヤーのピレリ

2019年12月11日(水)19:50 pm

F1公式タイヤサプライヤーのピレリが、2020年シーズンにはタイヤの空気圧をもっと高くする必要があるという見解を示した。

ピレリの2019年仕様ドライタイヤはその機能を引き出せる温度領域が狭いことなどにより、F1チームやドライバーの中には否定的な声も多かった。

だが、ピレリが2020年に向けて開発した新タイヤはさらにドライバーたちの評判が悪く、最近行われた投票では全チームが来年も2019年仕様タイヤを引き続き使用する方に票を入れ、結局ピレリの2020年仕様タイヤはこのままお蔵入りになることが確定している。

ピレリは、今回のような結果となったのは、2020年仕様タイヤを導入することになればF1チームたちはそれに合わせて空力パーツの設計を見直す必要が生じるためだと説明している。2021年には技術ルールが大きく変わることもあり、F1チームたちは2020年シーズンは開発戦争に陥るよりは、より安定したシーズンにしたいと考えているためだという。

しかし、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)は、ピレリが2020年に向けて行った開発を完全に無駄にするつもりはないと次のような声明を出している。

「今回の教訓は将来に向けたタイヤ改善にとってかけがえのないものとなるだろう」

だが、ピレリの自動車レース責任者を務めるマリオ・イゾラは、2020年にはタイヤの空気圧をさらに高めることになるだろうと警鐘を鳴らしている。

「2020年のクルマはさらにダウンフォースが増すはずだ。我々はチームたちが1秒から1.5秒タイムを縮めてくると予想している」

そう語ったイゾラは次のように付け加えている。

「ダウンフォースが大きくなるということは、タイヤにより大きな負担がかかるということだ。だから我々としても対抗策を講じる必要がある」

以前は、F1タイヤの空気圧に関してはピレリが推奨値をチームに伝えていたものの、実際にどれくらいの空気圧にするかはチームに委ねられていた。

空気圧が低い方がタイヤが変形し、路面への設置面積が増えることでグリップが増すため、チームの中にはピレリの推奨値よりもかなり低い空気圧でレースに臨むところもあった。

だが、タイヤが変形することでパンクやバースト(破裂)を起こすリスクも高まり、実際にいくつかのレースでタイヤのバーストによる事故も発生していた。

現在では指定空気圧を下回った場合にはレギュレーション違反となるようルールが改正されているが、タイヤの性能を引き出すことに苦労しているF1チームたちの中には指定空気圧が高すぎると不満を訴えているところもある。

2020年も今年と同じタイヤが継続使用されることになるわけだが、ピレリが指定空気圧をさらに高めてくれば、今年同様タイヤの扱いに苦しむことになるチームも出てきそうだ。

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