マルシャのジュール・ビアンキが、来季のフェラーリのシート獲得も視野に入れているようだ。
F1イギリスGP(第9戦)決勝でのクラッシュにより打撲傷を負ったキミ・ライコネン(フェラーリ)の代役として、その翌週にシルバーストンで行われたF1公式テストにフェラーリでテストを行い印象的な走りを見せたビアンキだが、その時点ではフェラーリのシート獲得について「来年の計画には入っていない」と語っていた。
それはもちろん、フェラーリには絶対的エースであるフェルナンド・アロンソがおり、今季前半は苦戦を強いられているライコネンも来年まで契約があるからだ。
フェラーリのチーム代表であるマルコ・マティアッチも、2007年のF1チャンピオンであるライコネンを支持し、来年もフェラーリにとって必要なドライバーだと公言していた。
だが、25歳のビアンキはハンガリーGP(第11戦)においても素晴らしい活躍を見せたことで、また来季のフェラーリドライバーに関するうわさが駆け巡ることになった。ビアンキは、フェラーリが作戦ミスをしたということはあったにせよ、明らかに戦闘力に欠けるマルシャのF1カーでライコネンを予選で上回ってみせたのだ。
現FIA会長であり、フェラーリの元チーム代表であるジャン・トッドの息子、ニコラがマネジャーを務めるビアンキは、フェラーリの若手育成プログラムのホープであり、将来どこかの時点ではフェラーリのシートが約束されていると考えられている。
来年はF1で3年目を迎えるビアンキだが、今年はマルシャに設立以来初めてのポイントをもたらすなど、特に今年の活躍には目を見張るものがある。
ビアンキは、母国フランスの日刊スポーツ紙である『L’Equipe(レキップ)』に次のように語った。
「僕たちの目標はケータハムの上にとどまり、(チーム別ランキング)10位で選手権を終えることだ。それはチームにとってものすごく大きな後押しになるだろう」
「フェラーリ?」とビアンキは続けた。
「もしいつか彼らが僕に声をかけてくれることがあれば、そのチャンスをつかむつもりだよ」
「2015年? 2016年? そのうち分かるさ」とビアンキは付け加えた。