メルセデス・ベンツを傘下に置くダイムラーのディーター・ツェッチェ会長が、現在今年のF1チャンピオンの座をかけて争っているメルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグに対して「チームオーダーを出すことはない」と主張している。
『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に掲載されたツェッチェのコメントは、違う戦略を取っているロズベルグを先に行かせるようにとの指示を受けたハミルトンがそれを無視するという出来事のあったF1ハンガリーGP(第11戦)の経緯を踏まえてのものだ。
「あのときは緊急の状況ではなかった」
そう語ったツェッチェは、次のように続けた。
「あのとき2人はそれほど接近していたわけではなかった。だから、ルイスがニコを前に出すために速度を落とさなかったことはよく理解できるよ」
ツェッチェは、「非常事態」となったときに限り、チームがハミルトンとロズベルグの間の自由な戦いに介入することができると主張し、次のように続けた。
「メルセデスAMGにはチームオーダーはないし、私はそのことを支持している」
「ドライバーの技量、そして少しばかりの運によって、最終的にどちらがタイトルを獲得するかが決まることになるだろう」
そう語ったツェッチェは、次のように締めくくっている。
「だが、ロズベルグとハミルトンは、違う戦略を取っているときには相手を妨害してはならないというのはその通りだ。例えば2回ストップ対3回ストップで戦っているような場合にはね」