F1モナコGP(25日決勝)予選で、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が故意にイエローフラッグを出してポールを獲得したのではないかという疑惑がわき上がり、スチュワードが調査している。
ロズベルグは、予選の最後にミラボーコーナーでオーバーラン。これによってイエローフラッグが出たため、直後を走っていたチームメートのルイス・ハミルトンは、タイムアタックをあきらめざるを得ない状況になった。
イギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』では、元F1ドライバーのジョニー・ハーバートが、オーバーランする直前にロズベルグが取ったステアリングの動きについて「怪しい」感じがするとコメント。
一方、1996年のF1チャンピオンであるデイモン・ヒルは、「もしあれが故意なら、すごくうまくやった。だが、ニコはまったく申し訳なさそうな様子をしていなかった」と話している。
だが、ハミルトンは怒りがおさまらない様子で、口数も少なく、ロズベルグがミスを犯してポールを獲得したのは「皮肉だ」と話した。
「僕はそんな経験一度もないよ」
「ポールが獲得できるラップだった」とハミルトン。「コンマ2秒ほど上回っていた。でも問題ない」と話したが、言葉とは裏腹に不満を抱えているのは明らかな様子だった。
ポール獲得を喜んだロズベルグだが、ハミルトンのアタックを台無しにしたことを謝罪した。しかし、それに対してハミルトンは「答えようがない」とだけ話した。
ロズベルグの「ミス」は怪しいのではないかと聞かると、ハミルトンの返答は「誰にも分からない」だけだった。さらに、故意だと思うかと聞かれると、「そうは言っていない。僕は何も言っていない」と答えている。
ハミルトンが怒っていたと記者から聞いたロズベルグは、こう反論している。「謝るよりほかにどうしようもない」
「データを見ればはっきりする。ただ少しブレーキングが遅れてロックしてしまっただけだ」
モナコでは、2006年の予選でミハエル・シューマッハが故意にコース上に停車して他車のアタックを妨害したとして、予選結果を抹消されたことがある。