バーレーンにおいて19日(水)から4日間の日程で、今シーズン2回目のF1公式シーズン前テストが開催されているが、依然としてトラブルの続くレッドブルでは、F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルが20日(木)にやっとある程度の周回を重ねることができたものの、そのスピードはまだ物足りないレベルにしか到達していない。
ベッテルはテスト2日目に、深刻なトラブルに見舞われたルノーエンジンを搭載する今季型車のRB10で59周を走行。天才F1カー設計者と言われるエイドリアン・ニューイ(レッドブル/最高技術責任者)の最新作であるRB10はまったく走ることができないのではないかという恐れは回避されたものの、そのペースはマクラーレンの新人ドライバーであるケビン・マグヌッセンが刻んだ最速タイムよりも1周あたり5秒以上も遅いものだった。
テストを担当したベッテルは、ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙に次のように語った。
「僕たちは、大きいものも小さいものも含めて、まだ多くの問題を抱えており、それを修正していかなくてはならない」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、今回のテストは単にRB10を走らせるということであり、この木曜日(20日)にはクルマは「ただ周回をしただけだ」と認めている。
『Bild(ビルト)』紙には、ベッテルの「ラップタイムは最速じゃない。でも、まずはクルマを走らせることだよ」というコメントも紹介された。
2013年シーズンは、第11戦ベルギーGPから最終戦までの9連勝を含む13勝をあげ、4年連続でF1チャンピオンに輝いたベッテルは、今週のバーレーンでのテストの役目を終えてヨーロッパへと戻る。3日目からはチームメートのダニエル・リカルドがテストを担当する。
今や、レッドブルは「危機的状況」にあると言われている中、リカルドは、RB10でのテストに臨むにあたっていつものように楽観的な姿勢を崩していない。
リカルドは、地元オーストラリアのメディアである『Fairfax(フェアファックス)』に対し、次のように語った。
「僕たちはまだテストの中間点にもきていないよ。あと7日も残されているし、それはかなりの日数だよ」
「それからメルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月16日決勝)に向かうことになる。これは僕の意見だけど、もし最初の6レースがうまく計画通りに運ばなかったとしても、それからまだ13か14レースも残っているんだからね」