仮に、今週末のF1日本GP(10月13日決勝)でセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が4年連続でのF1タイトル獲得を決定したとしても、そのときコースサイドにレッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューイの姿を見ることはできないようだ。
ドイツの『Bild(ビルト)』紙が報じたところによれば、レースカー設計者としても高名なニューイは、日本へは向かわず、ミルトンキーンズにあるレッドブルのファクトリーにとどまることを選んだという。
ニューイはピットウォールに張り付くのが常であるが、『Bild(ビルト)』の記者であるニコラ・プールは、今回ニューイはすべてが新しくなる2014年のF1カー製造に集中することを最優先することにしたものだと書いた。
これに関し、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは次のようにコメントしている。
「ニューイにとって、セブ(ベッテルの愛称)のためにサーキットへ来ることは常に重要なことだ。それは、彼がすべての分野に関する専門知識を持っており、それによっていろんな形で支援ができるからだ」
「だが、もちろん、もっとも自分が必要とされるところにいる。そして、来季のことを視野に入れるならば、現時点ではそれはイギリスのファクトリーだ」
少なくとも、ベッテルは、日本で行われるさまざまな式典には、チーム代表であるクリスチャン・ホーナーが付きそうことになるだろう。ホーナーの奥さんであるビバリーが、イギリスで彼らにとって初めての子供(娘)を出産したと伝えられているにもかかわらずだ。
ベッテルは、日本GP決勝で勝利し、ライバルのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が9位以下に終わればその時点で今季のF1タイトル獲得が確定することになる。
そのアロンソも、ドイツの放送局『RTL』に対し、「セバスチャンはその手の中にしっかりとタイトルをつかんでいる」と語り、次のように付け加えた。
「彼は間違いなくほかのどのドライバーたちより上だった。いい仕事をしているし、クルマも素晴らしい」
だが、アロンソは、2014年シーズンにフェラーリがより優れたクルマを用意すれば、ベッテルも厳しい戦いを強いられることになるだろうと次のように続けた。
「この何年かの間に僕は自分のドライビング技術に磨きをかけたし、より成熟し完成されてきたからね」
メルセデスAMGのチーム代表であるロス・ブラウンは、すべてのレッドブルのライバルたちには2014年のF1選手権を違うものに変える絶好のチャンスがある、とブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』紙に次のように語った。
「来シーズンは、今シーズンの終わり方のような形では始まらないだろう。あるいは、少なくともそうなるとは非常に考えづらいよ」