4連覇目前のレッドブルが違反行為をしているかもしれないとの報道を、レッドブルのエンジン提供元であるルノーのエンジニアが一蹴した。
新たなタイトルを手中にするのも時間の問題となったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。しかし、そのベッテルのクルマをめぐっては、抜群過ぎるトラクションと不自然なマシンの音に対して疑問を投げかける報道が最近目立つようになってきた。
しかし、ルノーのエンジニアであるリカルド・ペンテアドは、違法なトラクション・コントロールへのクレームは明らかに見当違いであるとブラジル紙『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』に述べている。
「FIA(国際自動車連盟)がすべてをチェックしているし、すべての(電気系統の)プログラムが規則にのっとるよう、電子制御ユニットはFIA自らが分配したものを使用している」
「違法行為を試みるなんて、ばかげている」とペンテアドは主張した。
「そんなことをしたら、信用を失うし、チームだって追放されてしまう。何の意味をなさない」
かつて、レッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューイがデザインしたクルマで共にタイトルを獲得し、現在は同じルノー製エンジンを搭載するウィリアムズで働くメンバーのひとりも、レッドブルが違法行為を働いているとの見方を否定した。
「レッドブルのデザイナー(ニューイ)のことはよく知っている」
「彼は、少しでも付加スピードが生まれるのなら、どんなことでも取り入れたいと考えている。そのため、規則の各分野を隅々まで研究するグループをチーム内に置いているのさ」
「いま私たちが目にしているのは、まさにその成果だと思う」とこのメンバーは語った。
有名F1テクニカルイラストレーターであるジョルジオ・ピオラも、2013年シーズン後半に、ニューイがより高度で洗練されたクルマを作り上げたことが勝因だと考えている。
「夏休み明けのスパ(第11戦F1ベルギーGP)に登場したニューイのクルマは、シーズン前半戦のものとはだいぶ変わっていた。あのときから連勝街道が始まった」とピオラは指摘する。
「ウイング、フロア、排気ガスの使い方。この新バージョンのRB9(レッドブルの2013年型車)は、ピレリの新型F1タイヤの特性に合わせてデザインされたものだった」
「新ピレリタイヤは、以前のものとまったく異なるのに、ほかのチームはクルマにわずかな変更を加えただけだった」とピオラは付け加えた。