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小林可夢偉、雨のモスクワでクラッシュ

2013年07月22日(月)11:01 am

21日(日)にモスクワ中心部に設けられたモスクワ・レースウエイで2008年に初開催されたモスクワ・シティ・レーシングは、今年で5回目を迎えた。だが、今年は雨が降ったりやんだり、ときにはかなり強い雨が落ちるというあいにくのコンディションのもとで行われることになった。

【写真】小林可夢偉、モスクワでフェラーリF60のF1デモ走行(全30枚)

さまざまなモータースポーツが一堂に会して行われるこのイベントには多くの見せ場があるが、小林可夢偉によって行われたフェラーリF60のデモンストレーション走行には、3800メートルに及ぶコース脇にファンが列をなし、モスクワのファンからの温かい声援が贈られた。

だが、可夢偉はここで少しばかり見せ場を作り過ぎてしまったようだ。数回に分けて行われたセッションのうち最後の走行に可夢偉が臨んだときには、強く降り出した雨により路面が非常に滑りやすくなってしまっていた。そして可夢偉はバリアに突っ込んでしまったのだ。

このクラッシュでF60は大きなダメージを負ってしまったが、フェラーリのヒストリックF1カーのメンテナンスを担当するF1クリエンティ部門のメカニックたちにとっては皮肉にもその腕前を発揮するチャンスとなった。彼らは20分ほどで2台目のマシンを用意。これにより、可夢偉とフェラーリは、クレムリン宮殿や聖ワシリイ大聖堂をバックに最後の走行を行うことができ、最高のフィナーレを飾ることができた。

可夢偉は、今回のイベントについて『ferrari.com』に次のように述べた。

「このような重要なイベントでスクーデリア・フェラーリを代表して走ることができたのを非常にうれしく思います。今一度、チームとスポンサーであるカスペルスキー研究所に感謝したいと思います。このような宣伝イベントでファンのすぐそばでF1カーを走らせることは大切ですからね。雨になったのは残念ですし、そうでなければもっと大勢のファンが集まってくれたことでしょう」

「あのクラッシュについては、路面がかなり滑りやすくなっていたのと、あそこに大きなバンプがあったんです。それでバリアに突っ込んでしまいました。残念でしたが、すぐにチームが再び僕をコースに戻してくれてうれしかったです」

今回のモスクワ・シティ・レーシングにはF1から5チームが参加していたが、フェラーリだけが2台のF1カーを持ち込んでいた。モスクワのような市街地コースではバリアがとても接近しており、エスケープゾーンも最小限の広さにしか確保されていないため、レース専用サーキットに比べればクラッシュのリスクも明らかに大きくなる。このため、フェラーリではたくさんのスペアパーツとともに、2台目のクルマも用意していた。これによって、これまで直接F1カーの走行を観たことがなかったファンの期待を裏切ることなく、彼らにモータースポーツ最高峰のレーシングカーの走行を楽しんでもらえたとフェラーリは考えている。奇しくも、今回は可夢偉のクラッシュによって、そのフェラーリの判断が正しかったことが証明されることとなった。

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