セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、ブルーノ・セナ(ウィリアムズ)へ対する批判に不快感を示した。
今シーズンのドライバー部門のチャンピオンがかかった最終戦F1ブラジルGPのスタート直後に、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とタイトルを争っていたベッテルが、セナと接触した。この一件をめぐって、ブラジルGP終了後、セナに対して批判が集中していた。
スタート直後にセナと接触したベッテルはスピンを喫して最後尾にまで順位を落としただけではなく、車体と排気系統に深刻なダメージを負い、危うく史上最年少での3連覇という偉業が打ち砕かれるところだった。
レース直後、ベッテルは「アイルトン・セナの墓はここサンパウロにある。誰かそこへ行って、彼のおいが今日やらかしたことを伝える必要があるかもね」と述べていた。
ベッテルは笑いながらそのコメントを発していたために、それがジョークであることは明らかであった。しかし、ドイツの報道によると、それでもベッテルのファンの一部はセナのソーシャルメディアのページで悪態をついていたようだ。
ベッテルは『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に、「僕はそういったファンと呼ばれている連中とは、明らかに距離を置いている。結局のところ、僕たちみんながこのスポーツの一部なんだし、あれ(接触)はいつだってどちらの立場でも起こり得ることなんだよ」と語っている。
また、ベッテルはブラジルGPのレース中、追い抜き禁止を意味するイエローフラッグが提示されている状況下で追い抜きを行ったのではないかという疑念をかけられていた。もし、その疑念が真実であった場合にはベッテルに対してペナルティーが下され、最終結果が覆り、アロンソが逆転でチャンピオンになる可能性もあった。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、その真偽が定かになるまでの間は「不快な48時間」であったと、今週になって認めた。しかし、当のベッテルはそのことで眠れぬ夜を過ごすことなどなかったと語っている。
「何も間違ったことをしていないって、ずっと分かっていた」とベッテルは振り返った。