F1のドライバーランキングで、チームメートのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に73ポイントもの大差をつけられてしまったマーク・ウェバー(レッドブル)。現在のところウェバーはベッテルのサポートを拒否しているものの、レッドブル側はウェバーによるサポートを期待している。
ベッテルとのポイント差が一定以上開いた場合はサポートに徹しなければならないという契約条項がウェバーにはあるため、もはやウェバーはそれに従うほかはないとするうわさもささやかれている中、先週末のインドGPにおいてウェバーは、チームメートを「先に行かせる」つもりなど全くないと主張していた。
アブダビGP(11月4日決勝)を前に、『SID通信』がこの件に関する質問をレッドブルのモータースポーツアドバイザー兼ドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコに対して投げかけたところ、マルコは次のように答えた。
「ドライバーの分別を信じるとわれわれは一貫して述べてきた」
「ここ数週間、彼らは協力的・建設的姿勢を示してきた。チームに大きな損失が生じないよう常に注意しながらね」
しかしながら、ウェバーは自分自身のために走ることを公言し続けている。これはウェバーの単なる強がりなのか?
過去3度のF1世界チャンピオンに輝いたニキ・ラウダは、ドイツ紙『Bild(ビルト)』に対して「ドライバーたちは聡明(そうめい)なんだ」と前置きしたうえで、以下のように語った。
「私もそうだったようにね」
「チャンピオンに輝く可能性がなくなったとしたら、喜んでチームメートのサポートにまわるだろう」
「ウェバーがそう言わないのは、自分の弱さを見せたくないからだ。レッドブルに限ってそんなことはないだろうが、個人的な憎しみが存在する場合を別にすれば、ほかのチームが勝つのを目撃するよりは、自分が所属するチームの勝利を目にする方が良いだろう」
なおレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ドイツ紙『Welt(ヴェルト)』に対し、「両ドライバーとも、チームにとって何が大切かを判断するのに十分な経験を積んでいる」と述べていた。