前戦モナコGPに優勝したマーク・ウェバー(レッドブル)は7日(木)、モナコの勝利を「違反」のおかげだとした報道陣に怒りを見せた。
先日、レッドブルのフロア処理が統括団体FIA(国際自動車連盟)の規定するルールに違反しているとの判断がなされた。6戦を終えて6人の勝者と5つの勝利チームが生まれる混戦となっている今シーズンで、唯一、複数回の勝利を挙げているチームがレッドブルだ。しかし、そのどちらのレースでも「違反」と判断されたフロアを使用していた。
「なんと言われようと、僕は気にしない。それに、自分の走りやいろいろなことにどんな批判を受けても、それを甘んじて受け入れる」
「だけど、こんな批判を受けるいわれはない。本当に、失礼な話だよ。クルマは(モナコでの)レース後に行われた車両検査で全項目に合格したんだからね」とウェバーは語った。
モナコGPレース後の車両検査は、レッドブルのライバルであるフェラーリとマクラーレンの要望に基づいて行われたとのうわさもあるが、レッドブルの2012年型車RB8のフロアに開いた穴に関するFIAの見解が発表されたのは今から数日前、つまりグランプリ終了から10日近く経過してからだった。
「クルマは(チームメートのセバスチャン・ベッテルが優勝した)バーレーンGP終了後の検査にも、僕が優勝したモナコGP終了後の検査にも合格した。それなのに、今になってルールの解釈を明確にして、ルールそのものが変わってしまったんだ」ウェバーはそう主張する。
F1の公式ウェブサイトによると、ウェバーのチームメートで、バーレーンGPで勝利したベッテルも、モナコGPの開催中にはルールに適合していたはずのクルマが突然に違反車両となったことを知って「驚いた」と話している。
「でも、実は、(フロアに穴があることで)コース上で大きな違いが出ているとは思わないんだよ。最初は違反だと言われて、その後は適合となって、そして今回また違反という判断になったなんて、なんだか落ち着かないね」
「僕が言いたいのは、今後は、一回最終決定を下したら後になってそれを覆したりしないでほしいってことだよ」とベッテルはFIAの判断に苦言を呈した。