今年は、ここまで6レースが終わった段階で、顔ぶれが違う6人の勝者が誕生するという混乱のシーズンとなっているが、ケーターハムのヘイキ・コバライネンは、その混戦を勝ち抜き、タイトルを獲得するのはフェラーリのフェルナンド・アロンソだろうと話している。
アロンソも、今年ここまでにレースを制した6人のドライバーのうちのひとりにすぎない。だが、明らかに戦闘力に欠ける今年のフェラーリのクルマで厳しいスタートを切らざるを得なかったにもかかわらず、現時点ではアロンソが2位に3ポイントの差をつけてタイトル争いの単独トップに立っている。
コバライネンは地元フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に次のようにコメントしている。
「アロンソがリードしているね。そう、彼が今年のタイトルを獲得するだろう」
「どんな特殊な状況になろうと、あるいは天候の状況が変わろうと、常に変わらないものがあるんだ。それがアロンソだよ。彼はどんなときでも、いつも上位にいるんだ」
コバライネンはまた同時に、現在のチーム間の勢力図は予測が不可能だということも認めている。
「いい例がモナコだよ。いつもはマクラーレンが圧倒的な強さを見せるものだけど、突然彼らもほかのチームと変わらないレベルになってしまったし、ジェンソン・バトン(マクラーレン)が僕を追い抜かなければならない状況になっていたんだよ」
「もしタイヤがうまく機能してくれなければ、それで終わりなんだ」
コバライネンと同じフィンランド出身のF1ドライバーで、かつてフェラーリやザウバーに所属していたミカ・サロも、アロンソが今年のタイトルを手中におさめ、自身3度目となるチャンピオンになるだろうと『MTV3』に次のように話している。
「彼らのクルマは大幅に改善されているよ。マッサもうまくドライブすることができるようになっているからね」
「レッドブルの2人(セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバー)がタイトル争いではアロンソととても接近している。でも、長い目でみれば、その2人はお互いにポイントを取るために戦うことになる」
「アロンソには、そんなふうにポイントを取り合わずにすむチームメートがいるからね」
一方、現時点ではトップのアロンソに対して17ポイント後方の位置にいるものの、タイトル争いのダークホースとなるかもしれないのがメルセデスAMGのニコ・ロズベルグだ。
開幕戦と続く第2戦ではノーポイントに終わっているものの、その後の4レースだけに限れば中国GPで優勝を飾ったロズベルグがもっとも多くのポイントを稼ぎ出している。そのことについてたずねられたロズベルグは次のように答えている。
「かなり一貫性があるということを示しているね。僕たちの前途は有望だよ」