F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)で安全面なども担当するチャーリー・ホワイティングは、来シーズンのF1マシンが2012年型車のように「不細工」にならないよう、全力を尽くすと約束した。
「醜いルールだよ」とレッドブルのマーク・ウェバーは言っている。FIAがルールを変更して車体先端部の高さを低く規制したのに対し、チーム側は空力などへの影響を最小限にするため、できるかぎり以前の高さを維持しようとし、その妥協の産物として今年のF1マシンが生まれたことを指して言ったものだ。
その結果、マクラーレンとマルシャの2チームを除いて、どのチームもノーズの中央に段差を設けたステップノーズと呼ばれるデザインを採用。F1マシンの前面に「カモノハシのような」目立つノーズがつくことになり、各方面から批判が出ている。
FIAがノーズを低くしたのは、あるクルマが他車の側面へノーズから衝突した際に、ノーズがドライバーの頭部に激突することを避けるためだった。しかし当初の提案に対してクレームをつけてきたエンジニアいたという。タイヤとマシン本体とをつなぐサスペンションの取り付け位置の関係により、ゼロから設計し直さなければいけなくなるというのだ。そのために、ノーズの先端側の高さのみを制限することになったという経緯がある。
ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタド・ジ・サンパウロ)』紙によれば、ホワイティングは次のように語ったという。
「どんなものが出てきそうか、12月にはぼんやりと分かっていた」
「その時にはもう手遅れだったがね」
さらにホワイティングによれば、2013年の新しいルールは、6月末までに各チームの合意を取り付けなければならないという。
「各チームの代表たちから変更についての合意を得るために、私にできるあらゆることをすると約束する」とホワイティングは話した。