各国のメディアは、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)を称賛する言葉を使い果たしてしまっている。
連戦連勝のベッテルに浴びせられたブーイングはまだ記憶に新しいが、ベッテルへのネガティブな反応は薄らいできたようだ。
2013年シーズン後半はまさにベッテルのひとり舞台で、先週末のF1アブダビGPではついに7連勝を飾った。ミハエル・シューマッハの持つシーズン最多連勝記録歴代に並んだベッテルに、アブダビの観衆は惜しみない称賛を送っていた。
「ミハエル・シューマッハのように、ベッテルは貪欲(どんよく)だ」そう伝えたのは、イタリアのスポーツ紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』だ。
「完ぺきで、難攻不落、かつ、無敵。まるで別のカテゴリーを走っているようだ」
『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』も同様の見方をしており、「4連覇を決めたばかりだというのに、ベッテルには疲労もモチベーションの低下も見られない」
イタリア最大の日刊紙『La Repubblica(レプブリカ)』は「ベッテルにはコースが短く、なめらかに見える。ベッテルのドライビングはプリマバレリーナのように優雅で力強い」とベッテルの走りを絶賛した。
『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』の賛辞はさらに続く。「ベッテルはまるで貪欲(どんよく)さの塊だ。コースを我が物顔で走り回り、その非凡な才能は敵に容赦ないプレッシャーとして襲いかかる」
レッドブルのチームオーナーであるディートリッヒ・マテシッツは、『Servus TV(セアヴスTV)』に「セバスチャンは世紀の才能の持ち主だ」と26歳にして4連覇の偉業を達成したベッテルを褒めたたえ、こう続けた。
「しかし、チーム全体の結束と仕事も、もちろん別格だった」