複数のF1チームが財政難に苦しんでいるが、F1に参戦する余裕がないのなら次世代のチームにその席を譲ることを考えるべきだ。
ドライバーやサプライヤーへの支払いに問題を抱えるチームが複数あると言われる現状に辛らつな言葉を投げたのは、2010年シーズンから4連覇を果たしたレッドブル・レーシングとその姉妹チームのトロロッソのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツだ。
ロータスとザウバーの資金繰りに関するニュースが連日報じられているが、綱渡りでチームを運営しているのはこの2チームだけではない。
フォース・インディアは主要スポンサーのサハラ・グループ撤退の危機にあり、ウィリアムズはパストール・マルドナードが離脱すれば年間4,000万ユーロ(約53億円)と言われるスポンサー資金を失うことになると『Blick(ブリック)』は伝えた。
シーズン前半から資金難が伝えられていたザウバーは、セルゲイ・シロトキン起用を含むロシア資本との契約がようやくまとまる段階に入ったとされてきたが、この契約は破談になったとする説もある。
『Blick(ブリック)』のロジャー・ブノワ記者は、ザウバーがドバイ資本と契約するうわさもあると伝えている。
数年前、ミナルディのチームオーナーだったポール・ストッダートはF1のコストの高さを声高に嘆いていたが、マクラーレンの前チーム代表ロン・デニスはストッダートを痛烈に批判していた。
「これは厳しく競争の激しいスポーツだ。それに耐えられないのならば、出ていけばいい」
「F1は誰でも受け入れるが、スープの配給所はない」というのがデニスの意見だった。
貧困者への配給を例に出したデニスと同様の批判をマテシッツも展開しており、資金に問題を抱えるチームに責任はあると主張する。
「資金的な問題があるのならば、その問題は資金でしか解決できないだろう」
『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』にそう話したマテシッツが意味するのは、コスト削減やルール制限による解決ではなく、プライベートチームや個人投資家の存在だ。
「チームが問題を解決できないのなら、F1参戦そのものを見直してはどうなのか。参戦権に興味がある人はほかにもいるはずだよ」